「第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の準々決勝が3月16日、東京ドームで行われ、日本代表侍ジャパン(B組1位)はイタリア代表(A組2位)を9-3で下し、5大会連続の準決勝進出を果たした。
「3番・指名打者」で先発のマウンドに立った大谷翔平投手(エンゼルス)が、立ち上がりから1球ごとに東京ドームに声を響かせる気迫の投球。2回には今大会自身最速の164キロを計測。4回2/3を投げ4安打2失点と試合を作った。打席では両チーム無得点で迎えた3回1死一塁、シフトの逆を狙う三塁へのセーフティーバントでチャンスを作った。この大会で初の4番に座った吉田正尚外野手(レッドソックス)の遊ゴロの間に先制した。
「(投球は)最後はあまり良くなかったですが、それまではテンポ良く投げられました。(セーフティーバントは)無理に引っ張って併殺が一番良くないと思い、そのリスクを排しつつリターンの大きいことをチョイスしました。(初めてのWBC5試合を終えて)素晴らしい声援をいただき毎日ワクワクした気持ちでプレーができています。気を引き締めて残り2試合も戦っていきたい」と試合後の会見でコメントした。
2死後、岡本和真内野手(巨人)に自身初アーチとなる3ランが飛び出し、試合を決めた。ジャイアンツの4番打者はお立ち台で「最高です」を6連発。試合後の会見では「(1本塁打5打点の活躍)なんとか勝ってアメリカに行きたかったので良かったです。皆さんで繋いで勝った試合です。(本塁打について)上手くバットに乗って良い形で打球を上げることができました。(今後に向けて)このメンバーと一緒にできる試合はもう少ないので悔いのないように頑張りたい」と話した。
5回には5番に下がった村上宗隆内野手(東京ヤクルト)が意地を見せて今大会初タイムリー。岡本もタイムリーで続き、5打点の活躍を見せた。7回には吉田にも今大会初アーチ。日本でのラストゲームを飾るダメ押し弾で、打点ランキングで全体トップに躍り出た。
スタンドが沸いたのは7回だった。伊藤大海投手(北海道日本ハム)、今永昇太投手(横浜DeNA)とつないだバトンを受け取ったのは、13年ぶりのリリーフ登板となったダルビッシュ有投手(パドレス)。ソロを浴びたが、2回を1失点。登板後は、MLB開幕へ向けてか、決勝でのリリーフへ向けてか、調整のため、ブルペンで力のこもった投球を続けた。最後は大勢投手(巨人)が締めた。
現役時代にドジャースで野茂英雄さんとバッテリーを組み、日本でもおなじみになったマイク・ピアザ監督が率いるイタリア代表を退けた熱戦は、TOPPS社のオンデマンドカード「Topps Now」で再現。マウンドでの大谷の雄姿と、岡本の3ランのシーンがカードになった。
準決勝は3月20日、米国マイアミのローンデポパークで行われ、侍ジャパンはプエルトリコとメキシコの勝者と対戦する。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。