MINTスタッフによるカード豆知識
TOPPS BASEBAL 「2023 MLB TOPPS series1をおススメします!」
●TOPPS BASEBALL CARDは、1952年にTopps Baseball Cardが発売されて以降、とても長い歴史を持つカードブランドです。
TOPPS社は、現在MLBとカード発行において独占契約を結んでおり、年間約60アイテム(2021年度は62アイテム!)もの様々な野球カードを発売しています。この60アイテムは、それぞれ魅力的なブランドネームがつけられ、様々なテーマのもとに異なる選手が収録されており、デザインや趣向、カードの加工に工夫を凝らされています。販売価格も廉価版から高級版、最高級版と、とても幅広いバリエーションとなっております!
毎年発売される人気定番ブランド(BOWMAN、STADIUM CLUB、FINEST、MUSEUM COLLECTION、ALLEN&GINTER、GYPSY QUEEN等々)が数多く存在し、それ以外にも新登場ブランドや復活ブランドが加わり、野球シーズン、シーズンオフにかかわらず、休むことなく発売が続きます。
こんなにも数多くの歴史ある人気ブランドを所有していることが、70年間様々なカード会社との競争に打ち勝ち、コレクターの支持を集め続けているTOPPS社のゆるぎない強みなのです。
MLBカードの収集を始めるとき、最初はその商品ブランドの多さに混乱すると思います。ですが難しいことではありません。自分の好きなテーマ、カードデザイン、加工を選べばいいだけなのです。少しずつ覚えていけば問題はありません。
そんな数多くのブランドの中でも、最も基本となるブランドが、メーカー名がそのままブランド名となっている「2023 MLB TOPPS series1」です。廉価版としての位置づけでありながら、カード収集をこれから始めるような初心者も、10年、20年、30年と長く収集しているベテランコレクターも、誰もが楽しめて収集しがいのあるブランドなのです。もし、お店に初心者の方が来店されたら、全てのカードスタッフは、自信をもってこのブランドをおススメすることでしょう。
この「TOPPS」は、series1、2、Updateの年間三部構成になっており、そのカードデザインは、Topps社のFlagship designであると言われています。Flagshipとは司令官が搭乗していて艦隊を統率する「旗艦(きかん)」を表し、最も重要な、象徴的なものという意味です。写真の周りに枠が付いているクラシカルなカードデザインとその歴史をとても大切にしているようです。(2016年から2020年は枠なしデザインです)
※大谷選手のRCは2018年、枠がないデザイン…。ちょっと残念。
※「1952 TOPPS」に収録されたミッキー・マントル外野手(ニューヨーク・ヤンキース)のルーキーカード(SGC9.5)は、2022年8月28日、米大手オークションハウス「Heritage Auctions」でトレカ&スポーツメモラビリアの史上最高額12,600,000ドル(約17億円=バイヤーズプレミアム込み)で落札されました。
※1951年に、Topps社 は、トランプのようなデザインの「Blue Backs Baseball card」 を発売しており、こちらが初のToppsカードとみなされることもあります。
※ちなみに2021 TOPPS series1、Series2、Updateのベースカード(レギュラーカード)には70th Anniversaryのロゴマークが記載されていましたので、1951年を初年度としてよいと思われます。
●330種類のベースカードは、集めごたえ満点!夏に発売されるseries2、秋冬に発売されるUpdate seriesと合わせると、990種類にもなります!このベースカードをコンプリート(全収集)すれば、詳細かつ壮大、思い入れの深い選手名鑑が完成します。
※series1とseries2はカード裏面にNo.1からNo.660 までの通し番号が記載されています。Update seriesは、US1からUS330までの異なる通し番号が記載されます。
※series1は今年活躍が予想される選手(昨年活躍した選手)が収録されています。一方series2は、開幕後序盤に活躍した選手が収録されます。日本プロ野球から移籍したばかりの選手(今年はレッドソックス吉田選手、アスレチックス藤浪選手ら)はseries2に収録されることが予想されます。そしてUpdateには、シーズン途中で移籍した選手、中盤以降でデビューした選手、記録達成などのハイライトシーンを集めた構成になっています。
●Hobby版、Jumbo版の2種類のバリエーションが発売されます。Hobby版とは、米国や日本のカードショップに卸されるカードコレクター向けの商品です。アメリカのスーパーマーケット向けに作成されるRetail版と比べ、直筆サインカードや、ジャージや、バットなどを挟み込んだカード(メモラビリアカードと言います)が出現しやすいオッズ(封入率)になっています。
またJumbo版は、よりマニアックなカードコレクター向けに作成され、直筆サインカード等のレアカードがより出現しやすいオッズになっている少数限定商品です。Hobby版に比べ割高な価格設定になっていますが、Hobby版を直筆サインカードが出現するまで複数ボックス購入するよりは、お得感があるためマニアコレクターには人気が高くなっています。
しかし、カードショップではJumbo版だけをメーカーより仕入れることは出来ないようになっており、Hobby版の注文に応じた数量に入荷を制限されるため、直ぐに売り切れとなることが多いのです。
※2023 Topps series1では、Hobby版は1ボックスに24パック入り(1パックにはカード14枚が入り)、Jumbo版は1ボックスに10パック入り(1パックにカはード46枚が入り)の違いがあります。各々の販売価格はMINTモールでご確認ください。Hobby版を1箱購入した場合、直筆サインカード1枚もしくはメモラビリアカードが1枚(どちらか1枚)が出現するオッズになっています。またJumbo版を1箱購入した場合は、直筆サインカード1枚とメモラビリアカード2枚(全部で3枚)が出現するオッズになっています。
例年、ボックスにSilver packというオマケパックが付いてきます。特殊加工されたカード4枚入りで、Hobby版は1箱に対し1パック、Jumbo版は1箱に対し2パックがプレゼントされます。(ボックスを開けると、詰められたパックの上に置かれていることから、トッパーカードと呼ばれることもあります。)Jumbo版には、大判カード、運が良ければ直筆サイン入り大判カードが入っていることもあるそうです!
●330種類のうち、今年は56人の選手のカードにルーキーマークが入っています!
そのカードはRC(ルーキーカード)とよばれ、カードコレクターにとって特別にHOTな収集対象なのです。将来大活躍して大物選手になれば、そのルーキーカードはプレミアが付き価値が急上昇するかもしれません!
●2023 Topps series1には、大谷翔平選手の直筆サインカード(メモラビリアオートや、イチロー選手とのコンボサイン、トラウト選手とのコンボサインも!)や、メモラビリアカード、様々なインサートカードが、豊富に収録されています。
●10種類以上の豊富なインサートカードも人気です。トランプのようなデザインだったり、ニックネームをコミカルにデザイン化したものだったり。
お気に入りのデザインのインサートはコンプリートを目指してみてはいかがでしょうか。今年は多くのインサートに大谷選手が含まれていますので、コツコツ集めてみるのも面白いかもしれません!
「Home Field Advantage」というインサートは、選手の背景にHometownのイラストが描かれており、毎年高い人気があり、eBay等のオークションサイトでプレミア価格が付くことで知られています。大谷選手ももちろん含まれ、今年はピッチャー大谷とバッター大谷の二刀流をフィーチャーしたものとなっています!何とか引き当てたいものですね!
さらに今年は、「Hidden Gems」(隠された宝石?)というインサートがあるそうなのですが、まだ詳細が公開されていません。どんなものなのかとても楽しみです。
●35年前の1988年に発行されたカードデザインを復刻したインサート(サインやパラレルカード等の種類も様々!)が封入されています。現代のスター選手やレジェンド選手が、クラシカルでレトロ感溢れる味わいのデザインで収録されています。歴史あるTOPPSだからこそなしえる試みですね、流石です。
Silver packに封入されているカードは、この1988年復刻版ベースカードをChrome(金属風)加工し、Mojoリフラクター(神秘的な、摩訶不思議に光る?)パラレルカードが4枚入っています。
●カード枠の色が異なる(なんと15種類以上!)パラレルカードの存在が、TOPPS社カードの人気が衰えないユニークポイントとなっています。金、レインボー、青、緑、オレンジ、赤、黒等の定番カラー、「母の日ピンク」や「父の日パウダーブルー」、迷彩柄(Camo)等の面白?カラーや、Jumbo版のみ、Retail版のみ封入の限定レアカラーが存在します。もしかしたら後日、Japanese Edition等の特別版が発売され、更にレアカラーが加わるかもしれません。
レアなパラレルカードは、発行枚数が少なく、限定発行であることを示すシリアルナンバーが記載されているものもあります。300枚限定や、50枚限定、25枚限定、なんと世界でたった1枚限定!のものまで存在します。活躍した(活躍が予想される)選手のルーキーカードやスーパースター選手のカードで、かつシリアルナンバー入りのパラレルカードは、プレミア価格で取引されることが多いのです。
●このシリーズの中でも、近年コレクター人気が高まっているカードは、“variation”カードです!variationカードとは、通常のベースカードに異なる写真が使用されている、「あれ、写真が違う!」「なんか面白い写真に変わってる!」といったちょっとイタズラ心のあるカードなのです。
通常のカードに対し、発行枚数が少ないことからSP(ショートプリント)カードと呼ばれています。さらに激レア、発行枚数が少ないものはSSP(スーパーショートプリント)と呼ばれるものもあったりします。
発売された当初は、どんなSP、SSPが存在するか、どんな写真が使用されているか発表されないことが多いため、開封しながらドキドキ!ベースカードでも油断が出来ず、じっくり見てしまう。非常に楽しい試みなのです。
昨年までは、“variation”カードは裏面下部にある小さな小さな、(老眼では見えないほど小さな)コード番号が通常版と異なっているだけで、“variation”カードであると確信することは難しいものだったのでした。(面白い写真なので、一目でわかることもあります!)
なんと、今年は“variation”カードに大きな変更がなされています。より分かりやすいように、表面の銀色のTOPPSロゴが金色に変わっています。加えて、裏面のカードナンバーの横に大きく金色の「SSP」という箔文字が記載されるようになりました。おおぉ!これで見落とすことはなくなった!という喜びと共に、必死で探すあの作業が楽しかったんだよねという寂しい気持ちの半々…。見落とされるカードが多いからこそ、自分のカードはより価値が高かったんだよね…、…コレクター心は非常に複雑なものなのです。
そして、更に驚愕の変更点が!昨年までは、特定の人気選手のみにSP、SSPの写真違い“variation”カードが存在していたのですが、今年は、全ての“variation”カードがSSPに!そして330種類のカード全てに“variation”カードが存在するらしいのです。人気選手のSSPを引き当てるのは至難の業となったといえるでしょう!TOPPS…、お主考えたなと思わず爪をかじってしまいますよね。
でも、330種の全ての“variation”カードをコンプリートしてやろうなんて猛者が、世界には存在するのでしょうか。でも集め終わる前に、Series2でちゃうし、Updateでちゃうし、990種も発行されるかも…それは無理なんじゃ…、と遠い目になってしまいます。この難行にチャレンジ、成し遂げる人が現れるのを楽しみ待つことにいたしましょう。