今季オープン戦から快音を響かせてアルバート・プーホルスの再来か?と騒がれていたセントルイス・カージナルスの新人、ジョーダン・ウォーカー外野手が止まらない。開幕戦から「8番・右翼」で先発出場してメジャー初打席で初安打を放つと4月10日のロッキーズ戦で球団記録を塗り替えるデビューから10試合連続安打をマーク。20歳以下の選手では“打撃の神様”テッド・ウィリアムズ(ボストン・レッドソックス)を抜いて歴代2位の記録となり、エディー・マーフィー(オークランド・アスレチックス)が保持する12試合の記録まであと「2」に迫っている。
デビューからの連続安打なんて運もあると思われがちだが、素質もなかなかのもの。現地でのウォーカーの評価は連続安打よりも打球の凄さが注目されている。Statcastによれば10日時点でハードヒット(初速95マイル以上の打球)率56.7%はメジャー全体で22位。今季最速113.9マイルは全体の8位とメジャー屈指の強打を披露しており、結果よりも内容に高い評価が集まっているのだ。課題は打球に角度がついていない事で、打ち上げるコツを掴めば本塁打の量産体制に入ってスーパースターへと駆け上がるのは間違いない。
米国大手オークションハウス「Goldin Auctions」では彼がまだマイナーにいた2022年8月21日に「2020 Bowman Draft Chrome Draft Pick Autograph Green Refractor #CDA-JW Jordan Walker Signed Rookie Card (#25/99) – PSA GEM MT 10」が2,040ドル(約27.3万円)で落札されているが、今後はもっと高値になるだろう。TOPPS社のオンデマンドカード「Topps Now」でもカード化された。
身長198センチ、体重111キロと体格に恵まれたウォーカーだが、カードの裏面を見ると両親はMIT(マサチューセッツ工科大学)とハーバード大学出身という超高学歴で、2021年の現地の記事には290万ドル(約3億8759万円)の契約金は全て投資会社に預けたという。「僕のお金には更にお金を稼いでもらいたい」という意識の高いコメントが。運動能力だけでなく頭脳も金銭的にも恵まれているなんてズルい!悔しい!スポーツ漫画なら主人公のライバル、悪役じゃないか!と一瞬、妬んでしまったが、このウォーカー、下がり眉の優しい顔で愛嬌もある絶対に憎めないキャラクターでもある。
WBCでヌートバーを応援してMLBを見始めたあなた。コレクションを始める選手に迷っているなら、ヌートバーの同僚ジョーダン・ウォーカーが絶対におススメです!
Norn(ライター)
米4大スポーツがメインのコレクター。各球団のポケットスケジュールを集めていたが近年のペーパーレス化で絶滅しかかっているのを悲しんでいる。マイナーの試合にも足を運ぶBowman愛好家。