MLBシカゴ・ホワイトソックスの注目ルーキー、オスカー・コラス外野手が4月15日の対ボルチモア・オリオールズ戦の延長10回に自身初のサヨナラヒット。TOPPS社のオンデマンドカード「Topps Now」では先日の「メジャー初本塁打」に続いて「初サヨナラ打」で早くも今季、2枚目のカード化となった。
コラスは今季、チームのプロスペクト(有望株)ランキング2位の注目新人。開幕戦に代打でメジャーデビューを果たし、その初打席でセンターへ初安打を記録した。翌日からは打順は下位ながら右翼手のレギュラーに定着して7日には初本塁打。この一発は自身初の「Topps Now」となった。
「とても緊張する打席で芯で捉えることを考えていた」というコラス。「すごくプレッシャーがかかる大事な打席だったけれど、ああいった場面を乗り越えることは僕にとってとても大事なことだ」とサヨナラ打の打席を振り返った。前日まで自身初の2試合無安打に終わっており、この日も4打数ノーヒットとプチスランプに陥っていた。それだけに久々の快音でチームの連敗も止めたことは自信になったに違いない。
今回のサヨナラ打のカード。コラスが雄たけびを上げる姿を右斜め前から捉えた写真だが、15日はジャッキー・ロビンソン・デーで全選手が永久欠番「42」を付けてプレーしていた。当然コラスも背番号「42」でプレーしており、記念の瞬間を切り取ってカード化するという「Topps Now」の趣旨を考えると、背番号が見える写真を使って欲しかった気もする。
コラスは投打の二刀流選手で「キューバの大谷」と騒がれ、2017年にNPB福岡ソフトバンクホークスに育成選手としてリバン・モイネロ投手と共に入団。三軍戦ながら野手として40試合で打率.245、4本塁打、16打点。投手としては9試合に登板し、11回2/3の投球回で、防御率1.14の成績を残した。2019年6月24日には支配下登録され、初昇格した8月18日の対埼玉西武ライオンズ戦に「7番・右翼手」で出場。2回裏のプロ初打席で、初球を右中間スタンドへホームラン。プロ野球史上9人目となる「プロ初打席・初球本塁打」を記録。支配下登録と初本塁打はエポック社の「EPOCH-ONE」でカード化された。
米国では投手としての実績はほとんどないが、150キロ近い速球を投げる地肩は強く、米国のスカウティングレポートでは3割近い打率と、25~30本塁打をする打力を持つ強肩強打の右翼手になる可能性があると高く評価されている。ホワイトソックスと契約する際に野手に専念することが発表されたが、大差がついた試合で野手が登板することがよくあるMLBなら、いつの日か、コラスの「メジャー初登板」が実現する可能性もある。
昨年はアルバート・プホルス内野手の初登板が「Topps Now」になった。マーリンズ時代のイチローさんも初登板がTOPPSでカードになった。コラスが新人王だけでなく今後、タイトル争いをする選手に成長すれば「初登板」カードが登場するかもしれない。
Norn(ライター)
米4大スポーツがメインのコレクター。各球団のポケットスケジュールを集めていたが近年のペーパーレス化で絶滅しかかっているのを悲しんでいる。マイナーの試合にも足を運ぶBowman愛好家。