千賀滉大投手(ニューヨーク・メッツ)が4月2日、敵地ローンデポ・パークでのマイアミ・マーリンズ戦にメジャー初登板初先発。5回1/3を3安打1失点に抑え、メジャー初勝利をマークした。
8三振を奪った「お化けフォーク」は米国でも「ゴーストフォーク」として紹介された。最大落差104センチの「魔球」で、NPBの育成選手出身では初めてのメジャーでの白星をあげた。
憧れ続けたマウンド。初回に味方打線が2点を援護してくれたことで力んだのか。先頭の、昨季の首位打者アラエスに中前安打、続くソレアに右翼線へ適時二塁打を浴びた。さらに連続四球で無死満塁。「気持ち的にも本当にいっぱいいっぱいだった。体が操れていない自分が分かっていたので、ピンチになって“試合を壊すとやばい”と思ってから逆に冷静になれた」。
メジャー最初のアウトを空振り三振で奪うと、続くJ・サンチェスもフォークで連続三振。バーティーを右飛に抑えてピンチを切り抜けリズムを取り戻した。5回1死で球数が88球になったところで降板するまで3安打1失点。「ゴーストフォーク」で8三振を奪った。
NPBでは当たり前だったフォークボール。日本人メジャーでは過去に野茂英雄、佐々木主浩らが決め球にしていたが、MLBでは「スプリット」と呼ばれてきた。この日の米国の中継でも「フォークボール」として取り上げられ、大リーグ公式サイトは速報などで「スプリット」ではなく「フォークボール」と表記。千賀のグラブに記したお化けのイラストとともに注目を浴びた。
ローンデポ・パークは第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表侍ジャパンが準決勝、決勝を戦った球場。千賀は準決勝のメキシコ戦を前田健太(ミネソタ・ツインズ)とともに観戦した。前回大会では準決勝の対米国戦での3者連続三振を含め16奪三振を記録し、日本代表では唯一のベストナインに選ばれた。WBCへの連続出場は断念しただけに、この日の初勝利には感慨深いものがあったはずだ。ちなみに、この時の千賀も侍ジャパンのユニホームで「Topps Now」でカードになっている。
WBCの前回大会から米国でも注目を集めていた千賀だけに、TOPPS社のオンデマンドカード「Topps Now」では早速、初登板初勝利をカード化。裏面は、吉田正尚(ボストン・レッドソックス)の初カードと同様に裏面に「デビュー」ワッペンの写真を使用。さらに、いきなり、色違いのシリアルナンバー入りサインカードが封入されたパックも発売。こちらは締め切りを待たずにすぐに完売してしまった。
トレカジャーナル編集部