中西太さんが天国へ! コレクターは「何苦楚」のインスクを忘れない!【コラム/プレーヤー】

中西太氏が5月11日に天国に旅立っていたことが発表された。

現役時代は西鉄ライオンズで、本塁打王5回、首位打者2回、打点王3回を獲得。西鉄、日本ハム、阪神で監督を歴任し、多くの球団でコーチ、臨時コーチなど務め、指導者として若松勉、掛布雅之、岡田彰布、イチロー、岩村明憲らを育てた。99年には野球殿堂入りした。

高松一高で3度、甲子園に出場し、2戦連続ランニング本塁打。「怪童」と呼ばれた。1952年、西鉄に入団すると、高卒新人ながら開幕からレギュラーとなり、2年目には本塁打と打点の二冠王に輝き、トリプルスリー(打率3割1分4厘、36本塁打、36盗塁)を史上最年少で達成した。

現役時代の中西さんは知らない。それでも、短いスポーツ紙の記者時代にぎりぎり、コーチ時代の中西さんを取材させていただいたことがある。対戦相手のチームの担当記者だったボクにも気さくに話してくださった。話し出したら止まらない。理論と経験に基づいたお話は勉強になった。トレカフェスティバルでもトークショーのお相手をさせていただき、数々の伝説について面白おかしく解説してくださり、会場を沸かせた。

ファウルチップした後にボールの焼けた匂いがした、という。相手のショートが捕球しようと思ったライナーが角度をあげて本塁打になったこともあった、という。大げさに言い伝えられたエピソードに少し照れくさそうに答えてくださった。ただし、西鉄ライオンズの本拠地、平和台球場でプロ2年目に放ったバックスクリーン越えの一発は推定飛距離160メートルの特大弾だけは、記念碑として残っている事実だった。

18日には中西さんが所属した各球団が球場で黙とうをささげた。中西さんはトレーディングカードの発展にも貢献した、と言えるだろう。サインカード制作にも協力いただき、座右の銘である「何苦楚(なにくそ)」をインスクリプション(添え書き)にしていただいたこともある。「何事も苦しい時が自分の礎を築く」の意味だ。これは日本のトレカではインスクのはしりだったのではないだろうか。

合掌。

Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。

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