「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」の最終日が5月7日、茨城GC西コースで行われ、吉田優利(エプソン)が3バーディー、4ボギーの73で回り、通算1オーバー、289で国内「メジャー」初優勝を飾った。吉田は1年8か月ぶりのJLPGAツアー通算3勝目となった。
通算1オーバーが示すように、強風や最終日の雨と寒さと悪条件の中、耐えてつかんだ優勝だった。大会史上初めて優勝スコアがオーバーパーとなった。「2年間、優勝出来なかったので、3勝目は特別な試合になるんじゃないかと思っていた。今日一番いいゴルフをしたいと思っていたので、最後まであきらめずにプレーすることができた」と優勝インタビューで話した。その笑顔は雨でびしょ濡れだった。
申ジエに猛追され、一時は1打差に迫られた。それでも、落ち着いていた。17番で第3打をピン1・5メートルにつけ、バーディー。「自分がいいプレーをすることだけに集中した。自分のゴルフが試される中で勝てた」と胸を張った。
我慢は昨季、培われた。シーズンで5度目の2位。そのうち、2度はプレーオフで競り負けた。それでも、あきらめずに練習を重ねた。「勝てないからといってゴルフが終わるわけではない。今日のために頑張ってきた」
2000年度生まれのミレニアム世代、同学年には国内ツアー7勝の古江彩佳や、同6勝の西村優菜らがいる。7月には4年ぶりに全米女子オープンに出場する。「みんなが立ちたい場所でプレーできることはうれしい。準備を怠らずに臨みたい」とまた、笑った。吉田にはスマイルがよく似合う。
エポック社のJLPGAオフィシャルトレカではサインカードはもちろん、レギュラーカードも人気の吉田。昨年は千葉出身という縁で登板したZOZOマリンでの始球式の「EPOCH-ONE」が、女子ゴルファー始球式カードの第1弾として発売され、697枚のオーダーを受けるなど人気を集めた。
これまで「EPOCH-ONE」では、JLPGAブライトナーに就任した際やJLPGAアワード2022特別賞を受賞した際にもカードが作られたが、優勝カードはなかった。今回のメジャー初優勝は最終18番ホールでの左手を上げてのガッツポーズがカードになった。ファンは待っていた。誰よりも吉田自身がこの瞬間を、この最高の1枚を待っていた。
※国内女子ツアーの「メジャー」大会は「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」、「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」、「日本女子オープンゴルフ選手権」、「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」の4大会で「公式競技」と呼ばれることもある。
トレカジャーナル編集部