FIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランドで、日本代表の「なでしこジャパン」は7月31日、ニュージーランドの首都・ウェリントンで、強豪のスペインに4-0で快勝。1次リーグ3連勝を飾り、グループC1位で決勝トーナメントに進んだ。
世界ランキング11位の「なでしこジャパン」に対して、スペインは世界6位という格上の相手。再三のカウンターで勝機を見出した。序盤こそスペインにボールをキープされたが、前半12分、状況が一転した。左サイドでボールを受けた遠藤純のパスに、宮澤ひなたが抜け出し落ち着いて、先制のシュートを決めた。
「ボールを奪ったところでカウンター狙いだと思っていたので、自分の長所を出して貢献できてよかった」と笑顔を見せた。宮澤は29分には、カウンターから植木理子へ絶妙パスを送り、追加点につなげた。
「ひなたからいいボールが来て自分のよさが出るところだと思ったので、迷わず足を振り抜いた。相手にボールが当たったがゴールに入って本当によかった。昔から一緒にやっているし、本当にわかり合えている。前半のうちに3点を奪えたのは本当によかった」と植木は振り返った。宮澤とは池田太監督のもと、2018年のU-20ワールドカップで初優勝を経験した。
植木へアシストでも輝いた宮澤は、40分は自陣でボールを奪い、そのまま、持ち込み、3点目をたたき出した。宮澤は今大会通算4得点で、女子W杯でのゴール数は澤穂希の8得点、宮間あやの6得点に次ぎ、米女子プロリーグNWSLでプレーする永里優季と並び、日本歴代3位タイとなった。
11年女子W杯での日本の優勝を見て、なでしこジャパンを目指すようになった。当時、ピンクのヘアバンドをしていた川澄奈穂美に憧れ、宮澤は今、ピンクのヘアバンドがトレードマークになっている。
「耐える時間が多い試合だったが、みんなでしっかり守って最後は勝って笑って終われてうれしい。1点が大事な試合になってくるので、チャンスで決められるようにしたい。チームとしていいモチベーションのまま向かえると思うので、いい準備をしていきたい」と笑顔を見せた。
後半も日本はスペインにボールを保持されたが、集中した守備で決定機を作らせず、逆に37分、右サイドでスローインを受けた田中美南が右サイドでスローインを受け、ドリブルで駆け上がり。ペナルティエリアにカットインし、フェイントを入れて、最後は左足でゴール左上に技ありの一発を蹴りこんだ。
「ほぼ一対一みたいな状態だった。仕掛けようと思った。気持ちの持って行き方、ゴールにいくぞというのがうまく乗ったなと思いました。コースもばっちり見えて、狙い通りでした。なんかいける気がして、ドリブルで運んでいる時から」と話した。
「風はやっぱり強かったです」田中はこのウェリントンで、2018年6月のニュージーランドとの親善試合でハットトリックを決めていた。今大会は初戦のザンビア戦に続いて2点目。日本代表はスタメンを前の試合から5人を入れ代え、田中は後半22分から途中出場。「カウンターでしっかり決めきっていた。前半で見せてくれていたので思いきり仕掛けられた。守備で大変な時間を後半耐えていたので、しっかり助けたいという思い。攻撃に切り替わったときに起点になって、パスしたりしようかなと思った中で、点はもちろん狙っていた」と振り返った。
「われわれのやってきたことをしっかりと出していこう、ノックアウトステージにつながるようなゲームをしようと話していた。粘り強く守備をし、カウンターでうまくスペースを使えたのがよかった。選手たちはすばらしい集中力だった。粘ってこういう勝ち方ができたのは自信になると思う」と池田太監督も決勝トーナメントへの手ごたえも口にした。
3連勝の快進撃で、再注目されるのが、EPOCH社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」が取り上げた、ワールドカップ前の「MS&ADカップ2023」の対パナマ戦に臨んだ「なでしこジャパン」のスターティングイレブンのカード。最新版のカードは市場価格も上がりそうだ。
「なでしこジャパン」は8月5日、決勝トーナメント1回戦で、グループAの2位のノルウェーと対戦する。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。