WBC、WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチが7月25日、東京・有明アリーナで行われ、同級1位・井上尚弥(大橋)が統一王者スティーブン・フルトン(米国)を相手に8回TKO勝ちし、新王者となった。
2012年10月のプロデビュー以来、25連勝(22KO)を飾った。前世界4団体バンタム級統一王者は世界戦20連勝で井岡一翔(志成)に次ぐ日本人2人目の世界4階級制覇も達成した。さらに、無敗での制覇は史上初。4団体統一と4階級制覇を成し遂げたのはサウル・アルバレス(メキシコ)に続き史上2人目の快挙となった。
8回、強烈な右で崩し、左でダウンを奪った。一度は立ち上がった21戦無敗のフルトンにパンチをまとめる。レフリーが試合を止めて、勝利が決まると、コーナーポストに駆け上がり、誇らしげに右手で何度も胸をたたいた。「気持ちいい。最高の日となりました」
昨年12月、ポール・バトラー(英国)を下し、史上9人目となる主要4団体の世界王座統一を達成も、今年1月に全てのベルトを返上。最強を追い求め、階級をひとつ上げた。「スーパーバンタム級の壁を感じずに戦えた。フルトンを倒して最強と言えるんじゃないですか」
世界戦では2018年5月以来となる挑戦者の立場だったが、モンスターぶりを発揮。「高いモチベーションを持って練習できた。楽しかった。技術戦ですごく頭を使った」と笑顔さえ、見せた。
試合後には、観戦していたWBA&IBF統一王者のマーロン・タパレス(フィリピン)とリング上で握手。「戦いたい」と言うタバレスに「今年中にふたつのベルトをかけて戦いましょう」と応えた。井上が勝てば、バンタム級で4年7か月かけて成し遂げた4団体統一をわずか5か月、2試合で達成する。
井上のトレーディングカードはBBMのオールスポーツカードには欠かせない存在になった。10月に発売の「Infinity 2023」にも、ボクシング界を代表して、井上拓真、重岡優大、重岡銀次朗とともに収録予定が発表されている。
トレカジャーナル編集部