卓球の世界ツアー「WTTコンテンダー・ザグレブ」(クロアチア)女子シングルス決勝が7月2日、行われ、世界ランク21位の平野美宇(木下グループ)が、4-3で同1位の孫穎莎(中国)を破り、優勝を飾った。
準々決勝で劉瑋珊(中国)を3-1で下すと、準決勝では中国若手のホープである蒯曼(中国)に同じく3-1で勝利して決勝へ。決勝では世界女王の孫穎莎(中国)と対戦した。
緩急を使い分け、孫穎莎の両ハンド攻撃を封じた。世界王者対策を練り、その通りに試合を進め、得意のバックハンドの打ち合いに持ち込んだ。最終ゲームでサービスエースを奪ったサーブも光った。孫穎莎が外国人選手に敗れたのは、2019年10月のワールドツアー・スウェーデンオープンで伊藤美誠(スターツ)との対戦以来、実に4年ぶりだった。
平野は3日、帰国した羽田空港で「優勝が自信になったし、すごくうれしい」と笑顔を見せた。3月の「シンガポールスマッシュ2023」でも世界ランキング3位の王芸迪にフルゲームで勝利した。「前までは中国選手と当たると『ああ中国選手か』と思っていたのが、今年になって『私もいけるかもしれない』という気持ちを持てるようになった。自分の得意な速さや質以外で勝てたのが成長。もっと幅を広げていきたい」と手ごたえを口にした。
日本卓球協会はこの日、2024年パリ五輪のシングルス代表選考ポイントの最新順位を発表。早田ひな(日本生命)に次ぐ圏内の二番手につけている平野は五輪選考ポイントの「中国トップ3選手に勝利」(7ゲームマッチ=15点)を加算し、その差を縮めた。選考レースは24年1月まで続き、上位2人をシングルス代表に選出する。
団体戦出場枠を獲得できた場合、残り1人の代表はシングルスで選出した2人とダブルスが組め、団体戦での活躍が期待できる選手に決定する。
7月3日時点での女子上位8人は
【1位】早田ひな(日本生命)497・5点
【2位】平野美宇(木下グループ)312点
【3位】伊藤美誠(スターツ)275・5点
【4位】木原美悠(木下グループ)228点
【5位】佐藤瞳(ミキハウス)185点
【6位】長崎美柚(木下グループ)180点
【7位】張本美和(木下アカデミー)170・5点
【8位】芝田沙季(ミキハウス)143点
となっている。
トレーディングカードでは、残念ながら早田ひなのカードはこれまで作られていないが、平野も伊藤もサインカード、さらには始球式カードも含め多くのトレカが作られてきた。9月に発売のエポック社のオールスポーツカード「2023 TEAM JAPAN オフィシャルトレーディングカード SYMBOL ATHLETES & NEXT SYMBOL ATHLETES」には木原美悠(木下グループ)のカードの収録予定が発表されたばかりだ。パリ五輪出場切符争いも、卓球カードも面白くなってきた。
トレカジャーナル編集部