大谷翔平投手(ロサンゼルス・エンゼルス)が7月31日、今季3度目の週間MVPに選出された。7月25日から6試合で20打数6安打の打率.300、3本塁打、4打点。投手としても7月27日の対デトロイト・タイガース戦に敵地で行われたタイガースとのダブルヘッダー第1試合で9回8奪三振1安打無失点でメジャー初完投初完封。第2試合では2打席連続となる37、38号を放った。
「大谷伝説」のひとつとして語り継がれることになるだろう、この試合。第1試合を午前1時からのライブ中継で観ていたボクは、大谷が画面に登場しない時間で、眠気を覚ますため、大谷カードを突っ込んでおいたシューボックスを開けてみた。ちなみに、大谷の中継は登板していると、マウンドにいる時と打席に立った時を見逃せないため、気を抜ける時間が少ないのが問題である。しかも、この日の中継の解説は、ボクが一番、好きな「やんちゃな」武田一浩さんだったので、いつも以上に気が抜けなかった。
大谷のサインカードを購入したことはない。引き当てたこともない。自分でパックを開けて、ゲットした高額なカードと言えば、米国メーカーでは初カードとなった「2017 BOWMAN Chrome」のメガボックス限定の侍ジャパンユニホームと、TOPPS 「2018 Heritage」のイメージバリエーションぐらいだろうか。
マグホに入ったその2枚にニンマリしながら、シューボックスの中を漁っていると、珍しいカードが3枚、出てきた。2018年にエンゼルスタジアムに行った時、球場前に設営されていたトラックのギフトショップで売っていた TOPPS「2018 Los Angeles Angeles Team set」に封入されていた大谷のルーキーカードである。このショップでは1セットしか在庫がなく、一緒に渡米した知人に譲ったが、2日後に訪れた人気のガレージセール「Frank & Sans」で1枚、5ドルで積まれていたカードをまとめ買いしたことを思い出した。
球場内のギフトショップや、街中のチームショップなどでは、毎年、TOPPS社が本拠地球団のチームセットを販売する。同社の「Opening Day」(今年からなくなってしまい残念)や「Series 1」に収録されるカードとはデザインが違う、ファーストカードである。ブリスターに入った20枚前後のセットは、お気に入りのチームの選手がそろうお手軽なセットである。1996年から本格的にMLBの取材に携わったボクだが、当初はなかったはずである。チームセットといえば、マザーズクッキーのセットだった。野茂英雄さんの照れくさそうな笑顔が懐かしい。
確かに、TOPPS社のチームセットが注目を集めたのは、松坂大輔さんが西武ライオンズからボストン・レッドソックスに移籍した2007年ごろだったはずである。松坂さんのカードなら何でも売れたこの年、ボクは「eBay」でこのセットを購入した。
さて、このチームセットの大谷のルーキーカード。打者・大谷の写真が使われている。ヘルメットの色が妙に金属色っぽいところや、後方の撮影スタッフが日本での試合のような気もしないこともなく、CG処理されたものかもしれない可能性は否定できないが、レアなカードであることだけは間違いない。数多い大谷のルーキーカードの中でも、オークションなどでも出品の少ない1枚なのだ。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。