藤浪晋太郎投手が7月19日、今季、入団したオークランド・アスレチックスから、ボルチモア・オリオールズに移籍した。オリオールズ傘下の3Aに所属していたイーストン・ルーカス投手との交換トレードが成立した。
この日の対ボストン・レッドソックス戦後、ロッカールームには5か月間、一緒に時間を過ごしたナインとハグし、別れを惜しむ藤浪の姿があった。
ポスティングシステムを使用して阪神からアスレチックスに移籍。開幕ローテーション入りも 制球難で中継ぎに配置転換。6月以降は19回1/3を投げて20奪三振、防御率3.26。前日18日のレッドソックス戦でも1回を無失点に抑え、6月20日から11試合連続無四球となっただけでなく、チームの連敗を8で止める3ホールド目をマーク。チームも大きく負け越し、ア・リーグ西地区で最下位に沈んでいるが、苦楽をともにした仲間への思いは特別だった。
メジャー1年目の今季はここまで34試合に登板して、5勝8敗3ホールド、防御率8.57。だが、7月の月間成績は7試合登板で2勝1敗1ホールド、防御率2.25。トレード期限の8月1日を前に、全チームが勝ち越している強豪ぞろいのア・リーグ東地区で19日に今季初めて単独首位に浮上したオリオールズに請われての移籍になった。
阪神の元チームメートで、同じ「しんたろう」で仲が良かった横田慎太郎さんが28歳で天国に旅立った。藤浪は18日の試合で、マウンドに上がると横田さんの名前を地面に書き、降板する際には空を見上げて天を指さした。試合は1回を1安打無失点でチームの連敗を8で止め、3ホールド目を挙げた。
日本人メジャーリーガーのシーズン中の移籍は、イチロー外野手(マリナーズ→ヤンキース)、ダルビッシュ有投手(レンジャーズ→ドジャース)などあったが、ルーキーイヤーの移籍は珍しく、新庄剛志外野手がシーズン終了後にメッツからジャイアンツにトレードされたことはあるが、シーズン中のトレード(戦力外からの移籍を除けば)は初めてとなった。
藤浪のトレーディングカードは、セットアッパーとして快速球を披露するごとに注目を集め、TOPPS社の「Series 2」や「Finest」が最新版として人気を呼んでいる。オリオールズのユニホームのカードがいつ、登場するか、気になるところだが、今シーズン中は難しいだろう。今後の展開次第では、来季はまた、違うチームに移籍する可能性もあり、「オリオールズ・藤浪」のカードは作られないかもしれない。ただし、TOPPS社ではCGで移籍選手のカードを作ることがあるため、要注意だ。
トレカジャーナル編集部