ENEOS「アジア野球選手権2003 日本代表チームカードセット」長嶋茂雄監督 50枚限定ジャージーカード
180,000円=MINT池袋店(2F)
まさに「幻のジャージーカード」と言えるだろう。
2001年限りで巨人の監督を優待した長嶋茂雄さん(巨人軍終身名誉監督)が、翌年12月にアテネ五輪出場を目指す野球日本代表チームの指揮官に就任した。
まだ、侍ジャパンの名称もなかった、かつての日本代表チームは、プロ・アマの垣根が高く、社会人野球、大学野球の選手を中心にしたチーム編成だった。2000年のシドニー五輪に出場した代表チームに松坂大輔投手(当時西武ライオンズ)ら8人のプロ選手が参加したが、メダルを逃した。雪辱を期し、アテネ五輪に向けプロ選手だけの代表チームを作ることとなり、その旗振り役として長嶋さんが指名された。
そのアテネ五輪の野球のアジア地区予選もかねて、札幌ドームで開催された「アジア野球選手権大会2003」で日本代表は決勝リーグで韓国、チャイニーズタイペイ、中国に全勝し、アテネ五輪出場を決めた。
「アジア野球選手権2003日本代表セット」はその戦いを振り返る内容で、5,000セット限定で作られた。大会のスポンサーだったENEOS(日本石油)がBBMとタッグを組んで作成したことでも話題を集めた。販売もメインは専用サイトだった。
長嶋監督はその後、病気で倒れ、アテネ五輪では中畑清コーチが代行で指揮を執った。まさに、この50枚限定でセットに封入されたジャージーカードは「幻のジャージーカード」になった。セットにはほかにも上原浩治(巨人)、和田毅(福岡ソフトバンク)、松坂大輔の3投手のジャージーカードが150枚ずつ、封入された。
約20年前のカードセットであること、オークション専門検索サイトの「オークファン」で過去10年間の履歴を見ても、このジャージーカードは落札されておらず、かなり、貴重なカードであることがわかる。
長嶋さんのトレーディングカードといえば、1973年のカルビーの笑顔のカードがアイコン的な存在になっている。笑顔のミスターもいいが、このジャージーカードの、野球にかかわるすべての人々の期待を背負って決戦に臨んだ眼光鋭い真剣な表情もいい。
サインカードにくわえ、ジャージー、バットなメモラビリアカードの価値も見直される傾向にある。この「幻のジャージーカード」が再び、幻になる前に手に入れたい1枚である。
ENEOS「アジア野球選手権2003 日本代表チームカードセット」長嶋茂雄監督 50枚限定ジャージーカード
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。