MLBドラフト2023が7月9日、シアトル市内のルーメン・フィールドで行われ、パイレーツが全体1位でポール・スキーンズ投手(ルイジアナ州立大)を指名した。MLB公式サイトのプロスペクトランキングのドラフト候補部門では1位にランキングされていた。
21歳のスキーンズは身長198センチの本格派右腕。空軍士官学校から2022年7月にルイジアナ州立大に転校。昨季は19試合に先発し、13勝2敗、防御率1.69をマークした。122回2/3の投球回をはるかに上回る209三振を奪っただけでなく、完全試合2試合を含む5完封。被打率.165と抑え込んだだけでなく、わずかに与四球は20という制球力も見せた。
今年6月のカレッジ・ワールドシリーズ(全米大学選手権)では2試合に先発し1勝0敗。防御率1.15、21奪三振も記録。準々決勝の対テネシー大戦では時速100マイル(160・9キロ)を連発。ルイジアナ州立大の7連覇に貢献しディック・ハウザー・トロフィー(最優秀選手)を受賞したリーグ戦に続き、この選手権でもMVPにあたるMOP(最も傑出した選手)に選ばれた。MOPを受賞した年にドラフト全体1位に指名されたのは、1992年のフィル・ネビン内野手(現エンゼルス監督)以来、史上2人目となった。
カリフォルニア州フラートン出身で生粋のエンゼルスファンだった。2018年の大谷翔平投手の本拠地、エンゼルスタジアムでのデビュー登板は現地で観戦していた。空軍士官学校時代の2022年には打者としても、52試合の出場で打率・314、13本塁打をマーク。同じ二刀流だった大谷のフォームなどを参考にしている、という。
ナショナルズが1巡目で指名した全体2位はディラン・クルーズ外野手(ルイジアナ州立大)。同一学校のチームメートが全体1、2位の指名となるのは、MLBドラフト史上初となった。21歳のクルーズは今季、打率・426、17本塁打をマークした。
全体11番目の指名権を持っていたエンゼルスはノーラン・シャヌエル内野手(フロリダ・アトランティック大)を指名。今季、主に一塁を守り打率・447、19本塁打を残した。エンゼルスは昨年、ドラフト1巡目(全体13位)で指名したザック・ネト内野手(キャンベル大)が「飛び級」でAA級から、前年のドラフト指名選手の中でいの一番でメジャーデビュー。故障で離脱するまで攻守で存在感のある活躍を見せ、遊撃の定位置を奪った。シャヌエルの早期デビューも楽しみだ。
ドラフトの有力候補はすでにLEAF社の製品やPANINI社の「Stars & Stripes」(米国代表チーム)でトレーディングカードになっている。さらに、指名球団と契約後、派遣される今年のアリゾナ秋季リーグでのプレー写真が使用され、TOPPS社の「Bowman Draft」にカードが収録される。これらは「ルーキーカード」扱いにはならないものの「1st Bowman」として人気を集める1枚になる。
トレカジャーナル編集部