ハロウィンの本場、米国で10月31日、NBAのスター選手が仮装を楽しんだ。昨年のNBAドラフト全体1位指名の注目ルーキー、ビクター・ウエンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)も黒いビジネススーツを着て、のっぺらぼうのマスクを被り「スレンダーマン」に変身して、対フェニックス・サンズ戦を行った本拠地・アリーナに登場。この仮装がPANINI社のオンデマンドカード「PANINI INSTANT」でカードになった。
19歳のウェンバンヤマは米国での初のハロウィンを満喫。すっかり、リラックスしたのか、試合では18得点、8リバウンドを記録して115-114の勝利に貢献した。
「PANINI INSTANT」では、ほかにもポール・ジョージ(ロサンゼルス・クリッパーズ)が扮した赤と白のストライプシャツに丸メガネのウォーリー、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)の超人「ハルク」、デビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)の犬のマスク姿をカードにした。
MLBのロサンゼルス・エンジェルスは公式SNSで、AIで作成した大谷翔平投手の「ユニコーン」、マイク・トラウト外野手の「釣り人」の写真を公開。こちらも話題になったが、MLBトレカの権利を持つTOPPS社もカードにはしなかったのは残念だった。
仮装といえば、MLBに昇格したルーキーが仲間入りの洗礼となる「ルーキー・ヘイジング」、「ルーキー・ラギングデー」と呼ばれる歓迎セレモニーがある。試合後の新人選手のロッカーに置いてある私服を隠し、代わりに衣装や仮装のかぶり物を用意し、これを着て帰宅したり、次の遠征地に向かう。最近ではMLBと選手会が合意した労使協定の「いじめ禁止」に抵触するとして、性別、人種、性的指向、国籍を強調するような差別的な仮装は禁止になったこともあり、以前のような派手な仮装はなくなった。
かつては 前田健太投手(ロサンゼルス・ドジャース)がチアリーダー、田中将大投手(ニューヨーク・ヤンキース)はヒップホップ歌手になった。ダルビッシュ有投手(テキサス・レンジャース)は女性用競泳水着、川崎宗則内野手(シアトル・マリナーズ)は大きな羽がついたレオタード、松井秀喜外野手(ヤンキース)はド派手なヒョウ柄の帽子とジャケットにサングラスを身に着けた。松坂大輔投手(ボストン・レッドソックス)は「テレタビーズ」のディプシー、鈴木誠也外野手(シカゴ・カブス)は「ドンキーコング」の着ぐるみに入った。
今年のハロウィンでは「ユニコーン」に変身した大谷だが、ルーキーイヤーの2018年には仮装は免除され、移動のバスの中で米国や中南米諸国で大ヒットしたラテンポップの「Despacito」の日本語バージョンを披露し、チームメートから拍手喝采を浴びた、という。仮装トレカでは、2018年にPANINI社から、2019、20年にはTOPPS社がサンタクロースの衣装を着用した姿(合成写真)をカードにして、その帽子がはさみ込んだメモラビリアカードが作ったことがある。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。