明治安田生命J1リーグは11月25日、第33節を行い、首位のヴィッセル神戸が本拠地・ノエビアスタジアム神戸で名古屋グランパスに2―1で勝利。クラブ創設29年目で初めての優勝を飾った。
勝ち点を68に伸ばし、同64の2位の横浜F・マリノスに最終節(12月3日)で逆転される可能性がなくなった。神戸は、国内3大タイトルの獲得は2019年度の天皇杯以来、ふたつめとなった。
神戸は前半12分、MF井出遙也のゴールで先制。14分には、FW大迫勇也からのクロスを武藤嘉紀が今季10得点目となるゴールで追加点を挙げた。
30分、名古屋に1点を返され、2対1と1点リードで前半を折り返し。後半は両チームともに決め手を欠く展開が続き、終盤は、名古屋の攻撃が全員の守備で守り切った。
「全員でつかみ取った優勝なのですごくうれしい。シーズン中、苦しい時期もあったが頑張り続けてきたので優勝がかかった大事な試合でゴールを決められて、それが勝利につながったので最高です」と井出は笑顔を見せた。
「勝てば優勝というこれ以上ない舞台が整って、きょう勝てたということは本当に誇らしく思うし、最高の喜びの中にいる。アディショナルタイムに入ったくらいから涙が止まらなくなっていた。この一瞬のためにすべてを捧げてきたものが込み上がったのだと思う」と武藤も感激しきり。
「このために日本に戻ってきたので最高です。いつも通り、僕らが今までやってきたことを前半の最初からすべて出せた。自分たちを信じて戦うだけだった。今季は若い選手が必死に成長した。自分たち経験のある選手がそれを引っ張れた」と2得点に絡んだエースの大迫は胸を張った。
阪神・淡路大震災の年に誕生したチームがついに悲願のJの頂点に立った。「選手にはいつもどおりの攻守にアグレッシブなサッカーをしようと声をかけた。震災のことが忘れられることがないよう『ヴィッセル神戸はこういうクラブなんだよ』と次の世代にも伝えていきたい」と昨季途中に指揮官となった吉田孝行監督はしみじみと語った。
エポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」では初Vを決めたこの試合の名場面をカード化。感動と興奮が伝わってくる5枚のカードが完成した。
トレカジャーナル編集部