横浜DeNAベイスターズ・今永昇太投手が11月13日、横浜スタジアム内で記者会見に臨み、ポスティングシステムを利用してMLBに挑戦することを表明した。球団からも了承を得ており、今後、正式な手続きを行うが、NPBでの実績だけでなく、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では決勝の米国戦で先発するなど存在感を見せ、MLB球団の争奪戦は必至な状況だ。
フラッシュを浴びながら、ハマのエース、侍ジャパンの左腕エースが決断を口にした。「私、今永昇太はポスティングシステムを利用してMLBに挑戦することを報告いたします」
今永は2016年にドラフト1位でベイスターズに入団して、8年目の今季は22試合に先発し7勝4敗、防御率2.80。174三振を奪い、初タイトルととなる最多奪三振を獲得した。通算成績は165試合に登板して64勝50敗、防御率3.18。昨季はノーヒットノーランも達成した。
2019年のオフから球団に米国でのプレーを直訴してきた。きっかけは、日の丸だった。2017年に第1回アジアチャンピオンシップで日本代表に初選出。19年の「プレミア12」、今年のWBCで日本代表も一員としてマウンドに上がる中で「いろんな大会を経て、また身近な選手がMLBに挑戦している姿を見て、自分もいつかそういう選手になれたらいいな」という思いは強くなっていった。
「(30歳での挑戦は)自分の生き方を変えるのは今しかない。僕自身、他者の目や評価を気にしてしまう性格。MLBに挑戦すると発言した時点から『お前で通用するわけない』とかネガティブな声も入ってくる。今まではそういった声も入らないように生きてきたけど、自分に嘘をついた生き方の気がして、そういう自分をまずは変えたいと思った」と心境を吐露した。
MLB30球団に門戸を開く。「米国のMLBを目指す子供たちが、僕のユニホームを着て球場に足を運んでくれる、それが一番初めの目標。けがをしないためのビルドアップに努めて、自分の持っているボール全てで勝負していきたい」と瞳を輝かせた。
「(日本人投手とは)投げ合いたいし、打者として対戦もしたい。(大谷とは)日本時代も対戦したことがないので、(今季ア・リーグ)本塁打王を獲得している選手ですし、そういう選手に投げたいという気持ちはある」と思いを馳せた。
ネットオークション「ebay」では今永のトレーディングカードはMLB挑戦の可能性が米国でも報道されるにつれ、連日、出品・落札が続いている。ベイスターズのユニホームのカードとともに人気があるのが、TOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」のWBCカードで、「チャンピオンセット」に収録された1枚がアイコン的なカードになっている。ちょうど、大谷翔平投手がMLB挑戦を発表した2017年オフを思い出させる。当時も、まずは「BOWMAN」メガボックスに収録された大谷の侍ジャパンユニホームのカードが人気を集めた。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。