NPBのオーナー会議が11月22日、都内で行われ「オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ」(新潟)と「ハヤテ223」(静岡)が来季からファームの公式戦に参入することが正式に承認され65年間にわたり12球団で行われてきたプロ野球は、来シーズンから2軍ではあるが14球団に拡大することになった。
「ハヤテ223」はウエスタン・リーグ(ソフトバンク、オリックス、広島東洋、阪神、中日)に、「新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ」はイースタン・リーグ(東北楽天、巨人、埼玉西武、横浜DeNA、北海道日本ハム、東京ヤクルト、千葉ロッテ)に参入する。
昨年まで独立リーグ「BCリーグ」に所属していた「オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ」は、安田学園高からヤクルトにドラフト3位で入団し、引退後、楽天や巨人、西武、ヤクルトなどの指導者を務めた橋上秀樹氏が監督として指揮を執る。
「ハヤテ223」は、赤堀元之監督、山下大輔GMのもと、始動する。
赤堀監督は静岡高からドラフト4位で近鉄に入団。3年連続を含む5回の最優秀救援投手に輝くなど守護神に。引退後はオリックス、東京ヤクルト、中日などNPB各チーム、独立リーグで指導者となった。
山下GMは、慶大から大洋にドラフト1位で入団。76年から8年連続でダイヤモンドグラブ賞に輝いた。現役引退後は横浜DeNAで、38年ぶりの日本一の際にはヘッドコーチ、その後は監督にも就任した。東北楽天の初年度にヘッドコーチ、MLBロサンゼルス・ドジャース傘下の1Aでコーチとなった。
議長でもある東京ヤクルト・衣笠剛オーナー代行は「今日承認されたということですけど、野球の裾野を広げる、野球振興という意味で良かったのでは。現実に3月の中旬から始まりますから、スムーズに運営して、我々ヤクルトも協力しながら順調に進めるように努力したい」と話した。
選手はトライアウトや、戦力外となった元プロ野球選手を中心に集められている。将来的には新潟、静岡とも1軍への参入を目指すことになるだろう。ただ、今季はあくまでファームへの参入のため、シーズン中に選手が1軍に昇格するには、移籍するしかない。選手がどれだけモチベーションを保てるか、など課題は多い。
それでも、あくまで個人的な意見だが、来年からはドラフトにも参加して、選手を指名することはできないだろうか。育成ドラフトでもいい。球団が増えれば「指名漏れ」の有力選手は減るのではないか。もちろん、1軍でプレーできないなら指名されても入団拒否する選手はいるだろう。
ただし、社会人に進めば2年、大学に進学すれば4年は再指名を待たなければいけない。1年間、NPBの指導者に指導を受け、ファームとはいえ、NPBの試合で腕を磨き、トレードで移籍する道もあるはずだ。4年後に、新潟と静岡が1軍にも参入する可能性もある。例えば、高校通算62本塁打を記録した広陵高・真鍋慧内野手は指名されず、大商大に進学するそうだが、彼が新潟か静岡に入団していれば、大いに盛り上がったはずだ。
そんな新潟と静岡だが、ぜひ、初年度にトレーディングカードを作ってほしいものだ。チームと所属選手の知名度を上げるには最高のツールだろう。四国アイランドリーグも発足当初はトレカがあった。カードコレクターならお馴染みの若き日のオリックス・鈴木一朗が留学したハワイウインターリーグのチームセットも人気があった。参入1年目ということで、BBM、エポック社、カルビーの12球団商品にスペシャルカードとして、選手の集合写真を封入してもいい。地元ファンはもちろん、NPBのファンもカードコレクターも新潟と静岡を熱く見守っている。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。