KBOのキウム・ヒーローズからポスティングシステムでMLB移籍を目指していた李政厚(イ・ジョンフ)外野手が12月12日、サンフランシスコ・ジャイアンツ移籍が決まった。6年総額1億130万ドル(約164億円)で合意した、と米メディアが報じた。
李政厚は、中日ドラゴンズで活躍した李鍾範内・外野手の長男で、父が中日に在籍していた1998年に愛知県名古屋市で誕生した。ドラフト1位でプロ入りし6年目の昨季は2年連続首位打者となる打率.349、23本塁打、初の打点王となる113打点でMVPに選出。父も94年にMVPに輝いており、KBO史上初の父子MVPとなった。
7年連続で打率3割をマークし、通算打率.340の巧打で「韓国のイチロー」と呼ばれ、2019年プレミア12、2021年東京五輪、そして、今年3月のワールドベースボールクラシック(WBC)にも韓国代表の一員として出場。昨年オフからMLB挑戦の意向を明らかにして、MLB公式サイトでも紹介されるなど注目を集めていた。
今季は7月に左足首の靱帯を損傷して手術を受け、10月の本拠地最終戦で代打で復帰するまで長期離脱。それでも球団は李政厚のポスティングを了承。12月上旬にポスティング手続きを完了し、交渉期間は来年1月3日まで、となりジャイアンツにくわえニューヨーク・ヤンキース、ニューヨーク・メッツ、サンディエゴ・パドレスなどが関心を寄せていた。
李政厚のトレーディングカードは韓国メーカーのものに加え、WBC後にTOPPS社から韓国代表カードが数種類、発行された。ジャイアンツ入りが決まった12月12日には、「ebay」で、「BOWMAN CHROME」に封入されたWBCカードの25枚限定オレンジレフラクターが899.99ドル(約13万4000円)の出品額に対して、500ドル(約7万5000円)のオファーで売買された。まったく同じ25枚限定カードが10月には70ドル(約1万500円)で売買されており、7倍近い取引額に跳ね上がった。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。