世界スーパーバンタム級4団体王座統一戦が12月26日、有明アリーナで行われ「怪物」こと井上尚弥(大橋)がマーロン・タパレス(フィリピン)を10回KOで倒し、史上2人目となる2階級での4団体王座統一を達成した。今年7月に達成したテレンス・クロフォード(米国)以来、日本人では初の快挙となった。
圧巻のKO勝利で、史上2人目、日本人、そしてアジア人として初の2階級4団体統一の偉業を飾った。クロフォードが約6年かかった2階級4団体統一をわずか1年というスピードで成し遂げた。期待通りの結末に、期待が大きければ大きいほど、祝福の歓声と拍手は大きくなった。その思いに井上は右拳を力強く握って応えた。「タフで気持ちの強い、そんな選手に勝つことができて、自分がやってきたことを証明できてホッとしてます」と井上は冷静に言った。
4回、左右の連打で最初のダウンを奪った。それでも、2団体王者のタバレスも強かった。応酬され、激しい攻防は続いた。だが10回、井上の右ストレートがガードの隙間を突いた。もん絶したタバレスが起き上がれないことを確認すると、大橋会長と抱き合い喜びを爆発させた。
7月にふたつのベルトを奪い、4団体統一へ向け、残りのふたつのベルトを持つタパレスを照準に合わせた。スパーリングでは、攻撃型、防御型、テクニック型、スピード型の世界ランカーらメキシコ人パートナー4人と過去最多の116ラウンドをこなした。
これで26戦26勝(23KO)となった。2014年4月のWBC世界ライトフライ級王座奪取から世界戦21連勝。日本人1位タイの世界戦21勝目。世界戦通算19KO勝利。記録ロードを進み続ける怪物は「ここまで来たら、(他の日本人が)どれだけ頑張ってもたどり着けないところまでいきたい」とまで言い切った。
次戦は、WBAの指名挑戦者である前WBAスーパーバンタム級王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)か、WBCの指名挑戦者である元WBC世界同級王者ルイス・ネリ(メキシコ)のどちらか、が有力と予想されている。「今の適正体重はスーパーバンタムだと思っている。来年、再来年とこの階級でさらに強さを見せられるようにしたい」井上は王冠をさらに輝かせる。
井上の最新トレーディングカードは発売されたばかりのBBM「CROWN」。昨年12月に続き年末を飾る高級版オールスポーツカードは今年もほぼ完売状態。井上の直筆サインカードも7枚限定で収録された。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。