MLBロサンゼルス・エンゼルスからFAとなっていた大谷翔平投手が12月9日、ロサンゼルス・ドジャースに移籍することを発表した。自身のSNSで投稿し、代理人のネズ・バレロ氏も発表した。MLB史上最高額で、北米プロスポーツ最高額となる10年総額7億ドル(約1014億円)の超大型契約となった。
争奪戦がついに決着した。最終的に大谷と交渉を進めていたのは、ドジャース、トロント・ブルージェイズ、サンフランシスコ・ジャイアンツ、シカゴ・カブス、アトランタ・ブレーブスにくわえ、再契約を目指すエンゼルスの6球団と言われる。
大谷はジャイアンツ本拠地オラクル・パークを訪問。1日にドジャースの本拠地ドジャースタジアム、4日にはブルージェイズのフロリダ州ダンイーデンのキャンプ施設で球団の関係者と面談。ウインターミーティング中に交渉は最終段階に入ったと報じられていた。
ドジャースは2013年から11年連続でポストシーズンに進出している名門かつ強豪の人気球団。今季まで大谷の定位置である「DH」に座っていたJD・マルティネス外野手がFAとなったが、再契約をしなかった。エンゼルスで大谷が背負っていた背番号「17」を着けていたジョー・ケリー投手も「17」を大谷に譲ることを明言するなど、大型契約だけでなく、「大谷シフト」を敷いていた。
エンゼルスの本拠地エンゼルスタジアムからドジャースタジアムまでは高速道路を遣えば40~50分の距離で、両チームの対戦は「ハイウェイシリーズ」と呼ばれている。エンゼルスが本拠地で試合をする時はドジャースがビジターで遠征に出て、ドジャースが本拠地で試合をする時はエンゼルスが遠征に出ることがほとんどで、地元ファンはシーズン中は毎日のように野球を楽しんでいる。
ドジャースでプレーした日本選手は1995年の野茂英雄投手から、石井一久投手、木田優夫投手、中村紀洋内野手、斎藤隆投手、黒田博樹投手、前田健太投手、ダルビッシュ有投手、2021年の筒香嘉智外野手まで9人。大谷は10人目となる。
大谷は6年目の今季、44本塁打を記録し、日本選手初の本塁打王を獲得した。打率.304、95打点、20盗塁をマークし、OPS1.066は両リーグトップだった。投手では9月に右肘靱帯の手術を受けたものの、23試合登板して10勝5敗、防御率3.14。2年ぶりの最優秀選手(MVP)を受賞した。2度の満票は史上初だった。
右肘手術からのリハビリもあるため、ドジャースタジアムのマウンドに立つのは2025年からが濃厚で、来季は打者としてワールドシリーズ進出、世界一に挑戦する。「ヒリヒリする」新しいシーズンが始まる。
TOPPSのオンデマンドカード「TOPPS NOW」では早速、ドジャースのユニホームで加工した大谷のドジャースカードを発売した。ボックス・パック商品での、ドジャース・大谷の実際のプレー写真を使ったカードは来夏以降になりそうだが、「TOPPS NOW」は人気シリーズの「Road to Opening Day」や開幕戦での大谷のカードが作られるのは確実だ。
楽しみな大谷のボブルヘッドは、SGA(球場配布)に熱心なドジャースだけに作られるのは間違いない。さらに、忘れてはいけないのは、エンゼルスが配布するであろう「本塁打王&MVP受賞記念」のエンゼルスユニホームでのボブルヘッド。ドジャース、エンゼルスともに来季のSGAの日程はまだ、発表されていないが、エンゼルスのラストボブル、ドジャースのファーストボブルは見逃せない。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。