北海道日本ハムファイターズからポスティング制度を利用してMLB移籍を目指してきた上沢直之投手が、レイズとマイナー契約で合意した。交渉期限の11日午後5時を過ぎた後、レイズが正式に発表した。春季キャンプには招待選手として参加し、メジャー昇格を目指す。
レイズは早い時期から上沢に興味を示し、昨年中にオンライン交渉を終えていた。期限を目前に「合意」を最優先させた。その意図はマイナー契約の選手としては、異例ともいえる、レイズからの上沢のコメント発表からもわかる。
「レイズの組織に加わることに興奮しています。MLBでのキャリアを始める機会を頂き、感謝しています。レイズでプレーすることを決めたのは、球団が投手育成に関して素晴らしい成功をおさめてきたことに魅力を感じてきたからです」
レイズの所属するア・リーグ東地区はヤンキース、レッドソックスなど、強豪がしのぎを削るMLB最激戦区と呼ばれる。その中で、5年連続でプレーオフへ進出してきたレイズだが、先発投手陣の強化は急務だった。昨季、パ・リーグでは山本由伸を上回る170回を投げるなど、過去3年連続で投球回数150回をクリアした「イニング・イーター」の上沢は、補強ポイントに合致する存在といえる。
開幕ロースターに入った時点でメジャー契約に切り替わる「スプリット契約」が濃厚で、先発試合数、投球回数ごとに、インセンティブ(出来高払い)などが付帯する契約である可能性が高い。
今オフ、日本人選手のMLB移籍の入団会見カードとして、脚光を浴びるTOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」が上沢のカードを発行するか、は微妙なところだ。それでも、スプリングトレーニング(キャンプ、オープン戦)で結果を残して、メジャー契約を勝ち取り、先発ローテーションに入れば「TOPPS NOW」はもちろん、ボックス、パック商品にも上沢のMLBカードが封入される。トレーディングカード的にも、上沢を応援したい。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。今季からNHLにハマっている。