大相撲初場所は1月28日、東京・両国国技館で千秋楽を迎え、横綱の照ノ富士(伊勢ヶ濱)が優勝決定戦で東関脇の琴ノ若(佐渡ヶ嶽)を下し、4場所ぶり幕内通算で9度目の優勝を飾った。
13勝2敗で並んだ32歳と26歳の優勝決定戦に国技館が盛り上がった。照ノ富士が琴ノ若の勢いを止め、接戦の末、寄り切った。腰のケガによる3場所連続休場から復帰した今場所について「十分な稽古ができない中で戦っていた」と照ノ富士は話したが、それを微塵も感じさせない巧みな取り組みと圧倒的な強さを見せつけた。
力強く、積極的な戦術が持ち味の照ノ富士は、2011年5月に初土俵を踏み、2015年夏場所で初優勝。その後大関に昇格するも、ケガや不調もあり低迷したが、2021年春場所後に大関に返り咲き、同年の名古屋場所で横綱に昇進した。その後の活躍は誰もが知るところだ。今場所は序盤に苦しみ2敗を喫したが、取り組みを重ねる中で徐々に調子を上げ、勝負勘を取り戻した。
「休場が続いていたんですけれども、心だけは折れないように日々頑張ってきた。ケガを乗り越えてよかったなと思います。明日から来場所にむけて頑張ります」と久しぶりの優勝にも満足した様子はなく、来場所への抱負を口にした。
その横綱が琴ノ若にエールを送った。「本当に力をつけてきたな、と相撲をとっていても感じるし、もっと鍛えて次の番付を目指してほしいなと思います」
あと一歩で、初優勝を逃した琴ノ若は技能賞を獲得。相撲一家に生まれた琴ノ若の取り組みからは、部屋と血筋を背負う覚悟が見て取れる。祖父と同じ横綱に上り詰めるまで邁進していく姿には、応援したいと思わせてくれる魅力もある。
今場所を含む直近3場所で33勝となり、大関昇進が確実視されている琴ノ若。1月31日の臨時理事会で昇進が正式に決定するだろう。
今場所を盛り上げたふたりを含め、幕内・十両の全力士をコレクションしたBBM「2024大相撲カード」が発売された。力士の魅力を引き立てる華やかなデザインに、たくましい姿やかわいい笑顔の力士たちのカードはファンやコレクターにはたまらない。
「ヤフオク!」では、BBM「2024大相撲カード」に収録された琴ノ若の直筆サインカードは今場所が進むにつれ、落札額を上げて1月28日には10,000円で落札された。照ノ富士のサインカードはBBM「Infinity 2022」に封入された60枚限定縦版に13,713円という貫録の最高落札額がついている。今回の復活劇と大関昇格でふたりのカードは市場価格を上げていきそうだ。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。