「Prime Video presents Live Boxing 6」が1月23日、大阪・エディオンアリーナ大阪で行われた。セミファイナルではボクシング転向3戦目を迎えた那須川天心(帝拳)がWBA世界バンタム級13位とWBO世界同級14位のルイス・ロブレス(メキシコ)を相手に初のTKO勝ちでデビュー3連勝を飾った。
キックボクシング界では「神童」と呼ばれた那須川もボクシング転向後は判定で2連勝。初の世界ランカーとの一戦は那須川には厳しいものになると予想された。だが、ゴングが鳴れば、1ラウンド目から那須川が主導権を握り、終始、那須川のペース。右ジャブでロブレスの動きを制しながら左ボディや右フック、左ストレートと、パンチを上下に散らしながらリズミカルに有効打を決め、ロブレスのパンチをステップ巧みに使いかわしていく。
徐々にロブレスをロープにつめていき、3ラウンドではボディに強烈な左ストレートを決めた。そのスマートな試合運びに那須川のボクサーとしての進化を感じ、勝利に期待したファンも、そして、那須川自身も予想しないあっけない結末が訪れた。
3ラウンド終了後のインターバルが終わり、4ラウンドが始まろうとした時、レフリーが試合終了を告げた。ロブレスが右足を痛めて立ち上がれない。試合続行が不可能となり、那須川のボクシング転向後、初のTKO勝ちが決まった。KO勝ちを狙って試合を組み立て、果敢に攻めていった那須川は「え?マジで?」と目を丸くした。
「足を痛めて…、キックの試合みたいですね…。ダメージないので次すぐにやりたいと思います。今までで一番軽い体重でやったんですけど、バンダム級でいけると実感している。日本人はたくさんバンダム級で強い選手がいるけど、世界を狙っていくのでみなさん待っていてください」と那須川。バンダム級を主戦場として戦うことを明言した。今回、世界ランカーをTKOで倒したことで、世界への道筋が見えてきた。
エポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」では、独占契約を結ぶ那須川のトレーディングカードも続々と販売予定。転向3戦目の前日、1月22日に発売した10枚限定の「AUTHENTIC AUTOGRAPH」の直書きサインカードも1枚30,000円で2種類を発売し即完売。まさに電光石火の「ワン・ツー」パンチになった。ボクシング第1戦、第2戦のカードに続き、今回の第3戦も人気カードになることは間違いない。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。