卓球の世界選手権団体戦の決勝トーナメント2回戦が2月22日、韓国・釜山で行われ、男子、女子代表がベスト8進出を決め、パリ五輪の団体とシングルス2枠の出場権を獲得した。
世界選手権の団体戦は男女各40チームが参加し、8つのグループにわかれたリーグ戦のあと、各グループの上位3チームによる決勝トーナメントが21日からスタート。ベスト8に進出すれば、パリオリンピックの団体の出場権が獲得でき、シングルスの男女各2枠も確定する。
世界ランキング2位の女子の日本代表はリーグ戦を4戦全勝のトップで通過し、決勝トーナメントの2回戦で世界41位のクロアチアと対戦した。
日本は1人目の「エース」早田ひな(日本生命)が多彩なサーブと得意のフォアハンドで強さを見せストレート勝ち。2人目の15歳の「超新星」張本美和(木下グループ)も強烈なバックハンドで主導権を握り、早田に続きストレート勝ちを収めた。
3勝すれば、チームの勝利が決まる大一番で登場したのは「ハリケーン」平野美宇(木下グループ)。第1ゲームの出だしから7連続でポイントを奪い、11‐1で取ると、得意のテンポの速い攻撃で相手を圧倒し、ストレート勝ち。パリ五輪の代表に内定している3人が力を発揮し、日本は3‐0でクロアチアを下した。
「今回の団体戦で優勝を目指していて、その通過点としてパリの切符を獲得できたことはうれしいが、目指しているところはここじゃないので、気を引き締めてやっていきたい」と早田は話した。
「いつもどおりの自分を出すことができ、ストレートで勝ててうれしい。周りにいる先輩がみんな年上で、本当に強くて尊敬できる先輩ばかりなので、見習うべき部分がたくさんあり、日々、背中を追っています」と張本美も瞳を輝かせた。
「きょうはオリンピックがかかっていたが、ここが最終地点ではないので、一つの通過点という気持ちで、3対0で勝てたのはよかったと思う」と平野も早田と同様、気を引き締めた。
世界ランキング3位の男子の日本代表はリーグ戦を4戦全勝のトップで通過し、決勝トーナメントの2回戦で世界32位のオーストリアと対戦した。
日本は戸上隼輔(明大)がインフルエンザからの療養明けで欠場する中、1人目の張本智和(智和企画)が第1ゲームを落としたが、その後は得意のバックハンドで主導権を握り、コースを突いたショットを決めるなど3ゲーム連続で取って、ゲームカウント3‐1で勝利。先陣を切った。
2人目の篠塚大登(愛知工大)は第2ゲームを取られたものの、多彩な攻撃で相手の的を絞らせず、ゲームカウント3‐1で勝つと、3人目の16歳の松島輝空(木下グループ)は思い切りの良いフォアハンドと強烈なバックハンドで相手を圧倒し、ストレート勝ちした。
これで3勝した男子の日本代表もベスト8に進出し、パリ五輪の団体とシングルス2枠の出場権を獲得した。
「1ゲーム目は取られたが、すぐに修正して勝てたので、チームにいい流れを持っていけた。次の対戦相手の中国とは、前回の大会であと少しで勝てるところまでは証明したので、このメンバーで勝てると信じ、チーム全員で頑張りたい」と張本智は王者・中国との次戦に思いを馳せた。
「レシーブに対応できず、頭がいっぱいになってしまったが、最後はラリーで勝てるように準備をしていて、それがうまくいってよかった。中国戦は自分の全部を出し切って、一番良いプレーができるようにしたい」と篠塚も話した。
「きょうの試合は100点です。だんだんと筋力もついてきて、相手に打ち勝てるようになり、それがきょうの結果につながった。中国は本当に強い選手ばかりなので、対戦できるのが楽しみです」と松島は試合後もとても16歳とは思えない落ち着いた表情だった。
松島は昨年8月にエポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」がTリーグの木下マイスター東京での雄姿をファーストカードにして話題になった。10月には2枚目のカードも登場。今回の活躍で、2枚の「エポワン」が再び、脚光を浴びることになった。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。