WWEは3月6日、今年の殿堂入り2人目として、ブル中野さんを発表した。1980~90年代に女子プロレス界で活躍し、93年からWWF(現WWE)のリングに上がった。94年に日本人初のWWF女子王座を獲得したことが評価された。
日本人レスラーでは2010年のアントニオ猪木、2015年の藤波辰爾、2020年の獣神サンダー・ライガー、2023年のグレート・ムタ(武藤敬司)に続いて5人目。女子では日本人初の快挙。今年は現在、「ブラッドライン」のマネージャーを務めるポール・ヘイメンに続いて2人目の発表となった。
中野さんは、WWEの無料放送(PPVは除く)をスタートし、日本でのWWEのブレークにつなげた「ABEMA」のインタビューを受け「泣いてしまいました。わたしのことを覚えてる方がたくさんいてくれたらいいな。たぶんないなって思ってた。自分の中でも日本と米国、メキシコ、すべてのベルトを取って、最後はこの(WWE)殿堂入り、これがあれば完璧だなって思っていたので、それがやっと形になりました。やっと報われたな、これでやっと終われるのかなという感じですね」と話した。
1983年に全日本女子プロレスに入門し、本名の中野恵子でデビュー。同年の新人王トーナメントに優勝して頭角を現すと、ダンプ松本と「極悪同盟」を結成し、ヒールへ転向。85年からリングネームを「ブル中野」に変え、「クラッシユギャルズ」と抗争を展開した。88年からは自らリーダーとなって「獄門党」を結成。金網デスマッチやチェーン・デスマッチでも注目を集めた。96年にはWCWにも参戦するなど海外でも存在感を示したが、97年に左膝を痛め引退した。
今年のWWE殿堂入り式典は「レッスルマニア40」(4月6、7日)前日となる、4月5日に米ペンシルベニア州フィラデルフィアのウェルズ・ファーゴ・センターで開催される。「ABEMA」で放送予定で、現在、PPVを受け付けている「レッスルマニア40」の中でも紹介されることになりそうだ。
時代を先取りしたそのメイクと、激しい戦いぶりで人気だった中野さんだが、プロレスカードでも先駆者だった。BBMの女子プロレスカードは5月に最新版「BBM 女子プロレスカード 2024」が発売されるが、日本のみならず海外でも人気のカテゴリーになっている。中野さんは、1990年代からBBMのプロレスカード、カードセットにカードが収録。2011、12年のBBM「TRUE HEART」ではまさに「HALL OF FAME」のタイトルでレジェンドとして封入された。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。