フィギュアスケートの世界選手権は3月22日、カナダ・モントリオールで女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)4位の坂本花織(シスメックス)が、149.67点をマークし、合計222.96点とし同種目56年ぶり史上8人目の3連覇を達成した。
全種目を通じて日本人初の快挙で、通算3度Vは浅田真央に並び日本勢最多となった。23歳11か月での制覇は、日本女子史上最年長。日本は上位2人の順位合計が「13」以内となり、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の予選を兼ねる2025年世界選手権の出場枠最大3を確保した。
フィニッシュすると、氷上に両手、両膝をつき、感極まった。SP4位からの「追う」展開。ひとつのミスも許されない中、全ジャンプを降りて、技術点、演技点でも圧倒した。「焦りとか緊張とかいろいろあった。常に勝ち続ける難しさを感じた優勝。この結果をうれしいなと受け止めている」と笑顔も決めた。
フリーは抜群の集中力で冒頭にダブルアクセルがを決めると、次々とジャンプを成功。クライマックスに向かい、観客の大歓声が響く中、高ぶる感情を冷静にコントロール。それでも、最後の最後に「よっしゃー!」と心の中で叫んだ、という。
世代交代が激しい女子の世界で勝ち続けることは難しい。強豪ロシア勢が不在のここ数年間は、「優勝候補」としての重圧はさらに重くなった。4回転など大技を跳ぶ若い選手も台頭し、「自分の持ち味を一瞬、見失ってしまった。自分は自分。ダイナミックさ、迫力、スピードは他の選手に負けない。自分と闘っていく」これが坂本花織のスケートだった。
「初めて優勝できた時が一番うれしかった。北京五輪が終わった1か月後で、しんどい部分がたくさんあったが、最後の最後までやり切った。去年はミスをしての優勝だったので悔しさが残った。(今回は)好調を維持し続ける難しさを感じた。必ずしもSP1位、フリー1位、総合1位になるわけではないんだなと、経験できた」
浅田の23歳6か月を上回り、最年長での優勝。今季、国際大会は全勝で締めくくった。史上5人目の世界選手権4連覇には「もちろん勝ち続けたい。今のままじゃだめだということも分かっている」だから、女王は女王なのである。
坂本のトレーディングカードはこれまで、BBMの始球式カードが2種類、発行されてきたが、競技カードが「2024 TEAM JAPAN オフィシャルトレーディングカード WINTER OLYMPIANS」に初めて収録された。直筆サインカード、人気インサートカードの「GEM」もあり、女王の美しさと強さが伝わるカードとなっている。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。