「明治安田レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」の最終日が3月10日、高知・土佐カントリークラブで開催された。鈴木愛(セールスフォース)が2位に6打差をつけて、4バーディー、2ボギー70の通算16アンダー。一度も首位を明け渡さない完全Vで今季初優勝。過去2度の年間女王に輝いた鈴木が、地元・四国でツアー通算19勝目を飾った。
大会2日目には最大瞬間風速18mという強い春風が吹き荒れた。さらにアップダウンのあるコース。多くの選手が翻弄される中、鈴木は巧みなショットを繰り出し、初日から首位に。3日目には小祝さくら(ニトリ)に2打差まで迫られるシーンもあったが、フィニッシュまで一度も首位を譲ることなく、ベテランらしい強さで追随を許さなかった。
「パットは安定していたけれども、ショットの精度をもう少し調整できればよかったと思う。チャンスらしいチャンスが少ない中でも耐えることができて。気持ち的にいつも通りのプレーができました」と冷静に分析した。
自身初のノーボギーVをマークした昨年8月の「北海道meijiカップ」以来となるJLPGAツアー19勝目。「これまで優勝した中で、これほど体がきつくない優勝は初めてに近い」オフは肉体改造に取り組み、下半身を重点的に強化したことによる力強いショットが勝利を導いた。
2013年にプロテストに合格して、3試合目のステップアップツアーで初優勝。翌14年に国内メジャーツアーで初優勝を飾った後は、17、19年に賞金女王に輝き、着実に勝利を重ねている。19年には史上2人目の3週連続優勝、月間3勝、年間7勝もマークした。
5月に30歳になる。今後、狙うのは30代での賞金女王と、30勝での永久シード権獲得。「優勝争いをしていても、いつでも突き放せるぞというところまでショットの精度をあげたいです。若い子には負けない」と豊富な経験と安定したショット、勝利への強い気持ちを武器にグリーンに立つ。
エポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」でも早速、鈴木の今季初勝利をカード化した。表面の写真は安定のパット、裏面はJLPGAツアーには欠かせない「愛ちゃんスマイル」。今季は何枚のスマイルトレカが見られるだろうか。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。