「Vポイント×ENEOS ゴルフトーナメント」が3月15~17日、鹿児島・鹿児島高牧カントリークラブで開催された。鈴木愛(セールスフォース)が通算10アンダーで並んだ小祝さくら(ニトリ)とのプレーオフを制し、前週の「明治安田レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」に続き2週連続優勝。JLPGAツアー通算20勝目を飾った。鈴木の2週連続優勝は、2019年11月の3週連続V以来で3度目。2週連続優勝を3回以上達成したのは不動裕理、アン・ソンジュに続き、ツアー史上3人目の快挙となった。
2日目が終了した時点で、鈴木、小祝、竹田麗央(ヤマエグループHD)の3人が通算7アンダーで首位に並んだ。最終日は荒天のため10~18番の9ホールの短縮競技に。昨年6月の「リシャール・ミル ヨネックスレディスゴルフトーナメント」以来、ツアー史上4回目となる異例の進行。セカンドカットも実施され、決勝ラウンドは通算1アンダーまでの上位28位タイとなる37人が戦った。
その悪条件の中、鈴木は10番ホールをボギーでスタートして一時は後退も、2017、19年に賞金女王を獲得した実力派は前週Vのタッチもキープ。その後、5バーディーをとり1位に返り咲き、通算10アンダーで小祝とのプレーオフ(PO)に突入した。
「パットの名手」と呼ばれる鈴木がパットで勝負を決めた。PO2ホール目の2打目をグリーン手前のバンカーに打ち込んだが、3打目のバンカーショットでピンまで3メートルに寄せた。絶対に外せないパーパットを「パッティングの名手」が何なく決め、小祝に重圧をかける。パーオンしていたライバルはパーパットを外した。
Vサインを高く掲げ、2週連続の「愛ちゃんスマイル」も輝いた。「天候が悪い中でのハーフの勝負でしたが、良いショット、良いパットが多かった。優勝することができてすごく嬉しいです」と喜びを口にした。
国内女子で20代20勝を達成したのは鈴木で9人目。5月9日の30歳の誕生日が近づいた。「20代で通算20勝」を有言実行。「通算30勝はなかなかできるものではありません。だから、チャレンジします」目標である30代での賞金女王、通算30勝にも弾みがついた。次戦では、ツアー史上初となる2回目の3週連続Vにも期待が高まる。
エポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」では2週連続で、鈴木の優勝をカード化。雨中の決戦を象徴する多くの傘をバックに、雨具を身にまとって、真剣なまなざしでコースを読む姿がカードになった。裏面はもちろん、晴れやかな「愛ちゃんスマイル」である。
「エポワン」女子ゴルフは2021年9月からスタートしたため、前回の鈴木も含め、3週連続Vがカードになったことはない。今季の女子ゴルフカードは復活した鈴木の偉業をコレクションしていく楽しみも増えた。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。