大谷翔平選手(ロサンゼルス・ドジャース)のNPB時代の直筆サインルーキーカード(RC)が1200万円で売買された。MINTの新サービス「MINT Seller’s VAULT(ミント・セラーズ・ヴォールト)」(MSV)を通じて、MINTモールに出品されたもので、海外のコレクターが購入。大谷の2013年のNPBルーキーカードでは史上最高額と見られる。
このカードは「2013 BBM 2nd version」に収録された10枚限定の直筆サインカードのクロスブランド版 (CROSS SIGNING)。MINT LAB TOKYOの田村亮一館長が調べたところ、大谷が北海道日本ハムファイターズにドラフト1位で入団した2013年、BBM社から発行された直筆サインカードは全部で9種類あり、合計85枚しか存在しない。この「85」という数字に大きな意味がある。
ロサンゼルス・エンゼルスに移籍してMLBデビューを果たした2018年に米国のカードメーカーが発行した大谷の直筆サインカードは、その「種類」だけで1,000種類以上があり、総枚数が何万枚なのかは不明、という。何万枚に対しての「85」枚はその数からも、極めて希少すぎる「お宝」と言える。
「BBM 2nd version」は2013年の8月に発売された。当時はBBMクロスブランド黎明期だったこともあり、カードにはブランド(1st、2nd version、GENESISなど)の記載がないことも特徴だ。巨人、広島以外のNPB10球団から各1名がラインナップされ、直筆サインそのものは球団によって直書きかシールか、が分かれていた。大谷の2013年直筆サインカードは「GENESIS」のボールサインを除き、今回のカードを含め、すべてがシールサインである。ただし、現在のMLBでのサインとは違う、レアな「初期」型のサインである。
一般的にシールサインより、直書きサインのほうが高額で取引される通説があるが、大谷はシールサインでも今回、1200万円で売買された。グレーディング鑑定も受けていない。「大谷のMLBでの活躍を受け、近年では米国やアジア諸国でもBBM社製トレカの認知度・需要とも高まっています。エンゼルスからドジャースに移籍してこのまま活躍を続け、存在感が高まり続けるなら『2013年こそ大谷の真のルーキー年』であるという認識が市場の世界基準となり、その価値も現在とはかけ離れたものになっていくと考えられます」と田村館長はその理由を解説する。
実は「85」枚の大谷のNPBルーキーサインカードは、ほとんど海外に流出していない。米大手オークションハウス「GOLDIN AUCTIONS」で「2013 BBM 北海道日本ハムファイターズ」の10枚限定直筆サイン(PSA8)が2021年8月に36,000ドル(約540万円)で売買された例があるくらいである。「それらをリアルタイムで収集していたコレクターのみなさんは現在、30代後半から50代くらいの年齢で今は収集から離れている人もいる。サインカードを売らずに持っている人がほとんどなのではないでしょうか」と田村館長は推測した。
今季の大谷については「打者に専念するということで、故障なく、打率.280、30本塁打をキープして、ドジャースをプレーオフ進出に導けるか。とくに4月に打率.270、5本塁打くらいを打っていいスタートができるか。ここが今後の大谷カードの市場価格に大きな影響を与えそうです」と予想。それでも「対照的に成績が落ちればどうなるか。今の高騰状態をキープし、さらに市場価格を上げるのは容易なことではありません。その意味では、今が売り時、買い時と言えるのかもしれません。海外のコレクターの購入につながる『MINT Seller’s VAULT』がその価値を高めてくれるのです。MINTモールでの販売、『GOLDIN AUCTIONS』など、多岐にわたる選択肢があり、スタッフが最適な方法を相談してください」とした。
「MINT Seller’s VAULT」は登録者のトレーディングカードをMINTが預かり、委託販売・海外オークション出品代行・買取などを行うサービス。預かったカードは高精細画像でデータ化され、登録者のスマートフォン・PC上でいつでも閲覧でき、さらに様々なサービスで安心して運用できる。これまで、ベーブ・ルースの「1999 Upper Deck A Piece of History」の3枚限定「Cut Autograph」が1100万円で売買されており、今回の大谷サインカードはこの最高額に並んだが、今回の売買で大谷のNPBルーキーカードへの注目度がさらにアップしたのは事実。さらなる高額取引も確実になった。
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Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。