米大手オークションハウス「Goldin Auctions」で、MLBの人気レジェンド、ケン・グリフィー・ジュニア外野手(シアトル・マリナーズ)のレアなブランドのレアなパラレルが26,840ドル(約405万円)で落札された。
このカードはFLEER社の「1999 Brilliants」の24枚限定パラレル「24KT」でPSAのグレーディング鑑定は7ながら、高額落札された。
「1999 Brilliants」が店頭に並んだ当時はFLEER社が多種多彩なブランドを各プロスポーツで発売。この「Brilliants」もそうだが、1年限りで終わったブランドも多い。
FLEER社はアイコンブランドの「Fleer」をはじめ、老舗トレカメーカーだったが、SKYBOX社に買収され、ライバルだったTOPPS社のMLBとの独占契約などもあり、スポーツカードから撤退。マーベルなどのノンスポーツのカード発行を続ける中、UPPER DECK社がその権利を買収し傘下に収めた。
そのような経緯もあり「Brilliants」は幻のブランドとしてコレクターには認識されている。パレルは99枚限定とその1ランク上の枚数のパラレルが存在。今回のカードは24枚限定のパラレルだけに市場に出回ることも少なく、4分の1世紀が経過した今でも人気を集めている。
ここ数年で、トレカはシリアルナンバー入りや色違い、写真違いなどのパラレルが人気を集め、過去の名作ブランドのパラレルも再注目を集めているのが現在である。
それでも、やはり、グリフィーである。どれほど珍しいカードでも、選手やアスリートが人気者でなければ、市場価格はそこまでは上がることはない。ただし、個人的に思い入れのある選手ならそれは別次元の話で、そこがまた、トレカ収集の面白いところではある。
今回のカードのグリフィーは、代名詞ともいえる華麗なフォロースルーをデザインしている。このフォロースルーは、アスリートとして独占契約を結んでいたNIKE社のスパイク、シューズなどについていたオリジナルのロゴマークにもそのシルエットが使われている。
マリナーズにドラフト1位で入団し、レッズやホワイトソックスでもプレーしたグリフィーは最後にマリナーズに戻り、ユニホームを脱いだ。通算630本塁打を放ち、その数字はMLB歴代ホームランランキングで7位。 1997年にはアメリカン・リーグのMVPに輝き、10度のゴールドグラブ賞を受賞。まさに、攻守にわたるスーパースターは「キッド」の愛称で親しまれた。グリフィー=マリナーズのイメージが強く、トレカもマリナーズのものが人気が高いことも周知の事実である。
かつての名カードが「Goldin Auctions」などのオークションで、再び、見ることができるのは至極の楽しみである。もちろん、オークションにも入札したいところだが・・・。
※「Goldin Auctions」での落札額はバイヤーズプレミアム込み。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。