MLBパドレスのダルビッシュ有投手が5月19日、アトランタでの対ブレーブス戦で7回を2安打無失点に抑え、今季4勝目。史上3人目となる日米通算200勝を達成した。
18日の試合が雨のため中止となり、スライド登板となったが、初回から味方打線が3点の援護。その裏、2死から二塁打を打たれたが、カーブで昨季のナ・リーグの二冠王・オルソンからカーブで空振りの三振を奪い無失点に。ピンチを切り抜け、自己最長を更新する19イニング連続無失点とした。
ダルビッシュは2回以降も、その代名詞ともいえる「七色の変化球」が冴えた。打線の援護もあり、快調なテンポでアウトを重ね、13打者連続凡退。7回を99球でまとめた。許した走者は2安打と1四球だけ。9三振を奪った。連続イニング無失点は25イニングまで伸びた。
ダルビッシュは、プロ1年目の05年6月18日の広島戦で初勝利を挙げて以来、今季が通算20年目。日本167試合(164先発)、米国275試合(全先発)の通算442試合目。すべて先発での200勝到達は、史上初となった。
ドラフト1位で入団したNPB日本ハムで93勝。ポスティングでMLBレンジャースに移籍し、ドジャース、カブスを経て、パドレスに。この日のメジャー通算107勝目で、野茂英雄、黒田博樹に続き、史上3人目の日米通算200勝となった。
登板後、中継したNHKのインタビューに「NHKさんがこの生中継、大谷君のやつ(ドジャース戦の中継)をやめてまでやってくれているので、何とか決めたいなという気持ちはありました」と笑わせた背番号11。
「登板が1日ずれて体の力はあまりなかったが、変化球はよかったし、カーブも途中からよくなったので、いろいろな球をミックスしながら相手の集中力をそらすことができた」と振り返った。
「プロ野球に入った時から、ファイターズファンの方々、日本全体が自分を優しく育ててくださった。その感謝は忘れずにやっている。これでほっとできるので、次、201勝目ができるように、あしたから調整したい。なるべくイニングを稼いで中継ぎの投手を休められるよう、監督や首脳陣から信頼してもらえるピッチャーになれるように頑張っていきたい」とエースらしく、話した。
プロ20年目で日米5球団のマウンドに立った。トミージョン手術も受けた。WBCには2度、出場し連覇に貢献。自らの右腕で14年間の空白を埋めた。言葉にするのは簡単だが、けっして順風満帆な野球人生ではなかったが確かに一歩ずつ、進んできた。TOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」で発行された最新の日米通算200勝カードをはじめ、ここまで作られたトレーディングカードの多さも、その足跡を物語る。そして、これからもダルビッシュは歩み続け、トレカも作られていく。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。