空手の組手女子61キロ超級で東京五輪代表の植草歩が5月1日、引退を発表した。自身のSNSで明らかにした。
「この度私は7月に行われる国際大会で競技生活を引退することを決めました。オリンピックの後うまくいかず何度か引退しようと考えました。だけど一度きりの人生、不完全燃焼でいいのかと自問自答しやり切った気持ちには、まだなっていないと答えをだし、この空手を出来る時間に終わりが来るなら最後は空手道競技を『心から楽しんで』終わりにしたいと思い、これまで続けてきました」と決断への経過を報告。
「そしてついにこの日が来ました。やりきりました! 楽しかったです。もうお腹いっぱいです。笑 たくさんのご声援、応援本当にありがとうございました!」と感謝した。
得意技の中段突きで2016年の世界選手権で金、2018年のアジア大会で金メダルに輝いたほか、毎年のようにメダルを獲得した。2017-19年のプレミアリーグでは年間女王に。全日本選手権は2015年から4連覇を達成した。
強さだけではない。「空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ」と呼ばれた人気者だった。
2014年の世界選手権で引退を考えたが、東京五輪で正式種目に採用される可能性が浮上。メディアへの露出を増やし、競技のアピールを続けた。2016年8月に正式決定した追加競技入りには植草の尽力があった。
東京五輪は1次リーグ敗退。「今までは『みんなのために勝ちたい』だったけど、これからは自分のために空手を楽しみたい」と語り、2022年2月から3か月間5か国を単身で回るなど、世界での競技普及を目指してきた。
空手は今夏のパリ五輪で実施種目から外れ、昨年10月には28年ロサンゼルス五輪の追加競技からも漏れた。目標がなくなったことも今回の決断につながったのかもしれない。
小3からスタートした空手人生。「多くのことを学び成長させてくれたのが『空手道』という競技でした」7月のフィリピンでの国際大会が引退試合となる予定。今後は指導者として、さらなる空手の普及に努めていく。現役は引退するが、植草の空手道はまだまだ、続いていく。
植草のトレーディングカードはBBM「2023 Infinity」に収録。レギュラーカード、パラレルカード、箔サイン、そして、直筆サインカードが封入された。現役引退後は、その存在が見直され、BBM「惜別」にも収録される有力候補だろう。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。