バレーボールのネーションズリーグ事務局は6月14日、前日までの試合結果を受けて女子日本代表が7月に開幕するパリ五輪の出場が決まったと発表した。2004年のアテネ大会から6大会連続の五輪出場となった。
ネーションズリーグは男子国際大会「ワールドリーグ」、女子国際大会「ワールドグランプリ」に代わる大会として、国際バレーボール連盟(FIVB)によって2018年に新設。1年に1度、男女共通の競技方式で行われる本大会には、世界のトップチームが男女16チームずつ参加する。予選ラウンドでは各チームが12試合を戦い順位を決定する。ファイナルラウンドには開催国と予選ラウンド上位7チームが出場し、ノックアウト方式のトーナメント戦で優勝チームを決定する。
前日13日のカナダ戦前。FIVBが日本バレーボール協会に、日本が同国戦に勝てばパリ切符獲得が「事実上決定」と通知。日本はフルセットの末に敗れたが、香港など他会場を含めたこの日の全試合終了後に世界ランキングが再計算され、14日朝に日本のパリ行きが決定していたことが伝えられた。
女子日本代表はネーションズリーグで6月15日にセルビア、16日に米国との対戦を残しているが、両戦で敗れた場合でも世界ランキングで五輪出場圏内をキープする。2012年のロンドン五輪で獲得した銅以来の表彰台を狙うほか、すでにパリ五輪出場を決めていた男子代表と、1972年ミュンヘン以来、52年ぶりとなる男女同時メダルを目指す。
昨年秋に東京で行われた五輪予選では、出場権まであと1勝に迫りながらも逃した日本女子代表。今回のネーションズリーグの1次リーグが終了した6月17日付の世界ランキングでアジア最上位か、出場権を得ていない国の中で上位3チームに入ることが条件だったが、厳しい状況を打破した。
過去の五輪で女子日本代表はバレーボールが初めて採用された1964年の東京大会で金メダル。68年のメキシコ、72年のミュンヘン大会では銀メダルを獲得し、76年のモントリオールで金メダルに返り咲いた。その後は84年ロサンゼルス大会と2012年のロンドン大会で銅メダルに輝いている。前回東京大会は10位にとどまった。
この日試合がなかったチームは会場の西日本総合展示場のサブコートで調整。「出場権獲得が目標だったので素直にうれしい」と古賀紗理那主将(NECレッドロケッツ)は話した。それでも「残りの2試合の結果次第で世界ランキングが変わる。気を引き締めて戦っていきたい」と表情は崩さなかった。五輪出場は確定も、パリで上位国との対戦が少なくてすむ世界ランキング5番手以内に入るには、さらにポイントを重ねる必要がある。
古賀主将にくわえ、石川真佑(イル・ビゾンテ・フィレンツェ=イタリア)、林琴奈(JTマーヴェラス)、田中瑞稀(JTマーヴェラス)ら、人気選手も多い日本女子代表はトレーディングカードも人気。昨年9月に発売されたプロデュース216「 全日本女子バレーボール『火の鳥NIPPON 2023』公式トレーディングカード」に続く、新商品の発売が待たれる。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。