男子テニスで元世界ランキング1位のアンディ・マリー(英国)が7月23日、パリ五輪を最後に現役引退することが決まった。これまでも、パリ五輪後にラケットを置くことを示唆してきたが、この日、自身のSNSで正式に表明した。
「自分にとって最後の大会となる五輪の地、パリに到着した。英国を代表して戦う数週間は自分のキャリアの中でとても思い出深く、最後にもう一度、戦えることを誇りに思う」と2016年のリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得した際の写真とともに投稿した。
37歳のマリーはツアー通算46勝。シングルスで四大大会で3度、優勝。2013年のウィンブルドン選手権では地元・英国の男子選手として77年ぶりの優勝を飾った。
2019年1月に金属製の人工股関節を入れる手術を受け離脱したが、復帰後の同年ヨーロピアン・オープンで優勝。それでも、その後は故障が続き、今年のウィンブルドンはシングルスの出場を断念。兄ジェイミーと組んでダブルスに出場したが、1回戦で敗れた。センターコートで「永遠にプレーしたいが、体力的に厳しい」と涙でスピーチした。
五輪は2012年ロンドン、16年リオデジャネイロと2大会連続で金メダルを獲得した。東京五輪は故障でシングルスを棄権した。
ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ロジャー・フェデラー(スイス)とともに「BIG4」と呼ばれ、テニス界をリードしてきた。フェデラーは2022年に引退、38歳のナダルも今季限りでの引退を表明。時代の流れとはいえ、さみしい限りだ。
「BIG4」はテニスのトレーディングカードでも「BIG4」だった。テニスのトレカはACE社やLEAF社などがこれまでカードを作ってきた。UPPER DECK「Goodwin Chanpion」やTOPPS「Allen & Ginter」などのオールスポーツカードにも封入された。昨年は待望の新作としてTOPPS「Chrome Tennis」が発売された。
2015、2016年にエポック社から発行された「International Premier Tennis League(IPTL)」はマリー、ナダル、フェデラーをはじめ、女子のセレナ・ウィリアムズやマリア・シャラポワらスーパースター達の直書きサインカードを収録。錦織圭のサインカードも封入された。
パリ五輪でのレジェンドのプレーを追い続けたい。そして、マリーの現役引退を機にエポック社「IPTL」のようなテニスカード史に残るレジェンド級のカードの登場を待っている。
◆石山直杜(MINT広島店長)
宮城県涌谷町出身。元シェフという異例の経歴で、MINTではトレカ情報を来店者のために料理する。今春からMINT広島の店長に。プロ野球は地元の東北楽天ファンでカードはテニスカード、海外サッカーも収集。(By MINT渋谷・中川良太店長)