米テレビ界の「アカデミー賞」とも言われる「第76回エミー賞」の各賞候補が7月17日、発表され、ハリウッド制作の時代劇ドラマ「SHOGUN 将軍」に主演した真田広之が連続ドラマ部門の主演男優賞にノミネートされた。同作は最多の22部門・25ノミネートに上った。発表と授賞式は9月15日にロサンゼルスで開かれる。
主要部門では、主演女優賞に海外を拠点に活動する女優アンナ・サワイ、助演男優賞に浅野忠信と平岳大がノミネートされた。作品賞や監督賞、脚本賞の候補にも挙がり、俳優、スタッフ合わせて日本人は11人が名を連ねた。いずれも連続ドラマ部門。
「エミー賞」は、映画のアカデミー賞、音楽のグラミー賞、演劇のトニー賞と並ぶ、米4大エンターテインメント賞のひとつ。日本人がエミー賞の主演男優賞候補になるのは異例。1981年に故三船敏郎さんがジェームズ・クラベルのベストセラー小説を原作にした同じドラマ「将軍 SHOGUN」でノミネートされている。「(真田が)ミフネの足跡に続いた」と報じる米メディアもあった。
受賞すれば日本人初の快挙になる。「栄誉あるエミー賞にノミネートされたことを大変うれしく、光栄に思います。改めて作品に関わってくださった全ての方々に感謝いたします。そして応援してくださった視聴者の皆さま、本当にありがとうございました」と真田はコメントを発表した。
「将軍 SHOGUN」はディズニー公式動画配信サービス「Disney+」で配信。戦国時代を舞台に、真田は徳川家康がモデルの武将を演じ、プロデュースも手がけている。シーズン2の制作も決定しており「これ(ノミネート)を励みに、よりよいシーズン2を目指してまいりたい」と真田は意欲を見せた。
千葉真一が主宰したジャパンアクションクラブ出身の真田は師と仰ぐ千葉の後を追うように日本で活躍した後、米国に進出。舞台から映画まで多くの作品に出演した。
2019年には人気シリーズ映画「アベンジャーズ」の「エンドゲーム」にゲスト出演。ヤクザのアキヒコ役を務め、冒頭で、ヒーローのひとりでもあるホーク・アイと殺陣を演じ、暗殺された。「エンドゲーム」はUPPER DECK社がトレーディングカードにして、短い出演シーンながら真田のカードも収録。サインカードも封入された。
TVドラマでは、日本における海外ドラマ人気の先駆けにもなった「LOST」(リットンハウス社)のカードにもファイナルシーズンで道厳役を演じた真田のカードが収録されている。エミー賞でノミネートラッシュになるほどの名作となった「将軍 SHOGUN」のカードが作られれば、「世界の真田」のカードも間違いなく、収録されるはずだ。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。