パリ五輪のフェンシング男子エペ個人の決勝が7月28日、行われ、加納虹輝が金メダルを獲得した。フェンシングの個人種目で日本選手が金メダルを獲得するのは史上初となった。
加納は日本フェンシング界のエースとして、前回の東京五輪では団体で初の金メダルを獲得。今回は初戦から順調に勝ち上がり、準決勝でティボル・アンドラーシュフィ(ハンガリー)を相手に残り5秒で追いつかれたものの、延長戦で積極的に攻めて、この種目で初めてとなる決勝に進出した。
決勝では、ヤニック・ボレル(フランス)と対戦。ボレルは3回戦で見延和靖、準々決勝で山田優を撃破してきた強敵。さらに、地元選手ということもあり、完全なアウェーの中、加納は決戦に臨んだ。
加納は、体格があり、リーチの長いボレルに対し、素早い動きで序盤から積極的に懐へ飛び込み、第2ピリオドで連続でポイントを重ね、一気に差を広げた。
圧巻は最終の第3ピリオド。15ポイントを先取して15対9で快勝し、自身2度目、個人では初の金メダルを獲得した。
「オリンピックの金メダルはほかの大会のメダルとは違うものがあって『今まで頑張ってやってきたことが間違っていなかった』という思いがこみ上げてきて、感極まるくらいうれしい」と加納は話した。
強敵のボレルについては「気持ちで勝ちにいった。日本勢2人が負けているので3人目は負けないぞという気持ちで戦った。試合展開としては先にリードしたかったので、相手が攻めてきたところをカウンターでとってリードを広げていく作戦だった」と明かした。
「銀メダリストの太田雄貴さんを見てフェンシングを始めたので、その人を超えられるとは思っていなかった。東京大会が終わったあと、団体だけではなく個人戦でも金メダルを獲得したいとずっと言ってきたので、実行することができてうれしい」と興奮は冷めなかった。
まだ、2大会連続の金メダルがかかるエペ団体が待っている。「(今は)団体戦のことしか頭にない。次はチーム一丸となってまた金メダルを取りたい」と意欲をのぞかせた。
加納はすでにエポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」で、2022年のアジア大会にて、エペ個人で日本勢45年ぶり金メダル、エペ団体で大会2連覇となる金メダルを獲得した際にカード化。「TEAM JAPAN オフィシャルトレーディングカード パリ2024オリンピックメダリストシリーズ」でも、個人と団体でのカード化を狙う。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。