パリ五輪の卓球女子シングルスは8月3日、パリ市内の「パリ南アリーナ」で3位決定戦が行われ、早田ひな(日本生命)が申裕斌(シン・ユビン=韓国)を4-2で下して銅メダルを獲得した。
準々決勝で左腕を痛めた。準決勝では痛みに耐えながら、最後までラケットを振り続けたが、世界ランキング1位の孫頴莎にストレート負け。「きょうの試合開始の5分前まで2割から3割ほどの力しか出せない感覚だったが、試合直前に注射を打ってもらって『もしかしたら行けるかも』と思えた。試合中は後悔しないように、どんな結果になっても最後までやり続ける気持ちで、1ゲーム1ゲームを戦いました」と明かした。
世界ランキング5位の早田に対して、相手の申は同8位。それでも、準々決勝で平野美宇を破った申には勢いがあった。第1ゲームは持ち味のフォアハンドが決まらず、早田にもミスも続いたが、9-11で落とし先手を取られた。
だが、第2ゲームは緩急をつけた攻撃で4連続ポイントを奪うなどして13-11で取り返した。第3ゲームも、7-10とリードされた場面で力強いフォアハンドを連続で決め5連続ポイントを奪い12-10で連取。第4ゲームを11-7で奪った。
そして、第5ゲームこそ10-12で落としたが、第6ゲームを11-7で勝ち取り、ゲームカウント4-2で銅メダルに輝いた。
勝利の瞬間、座り込んで涙した。「神様が意地悪をしてきたけれど、大事なフォアハンドドライブだけは残してくれた。まだ乗り越えられる試練を与えてくれたのかなとも思った。『本当によく頑張った、私の左手。よく頑張ったな』と、それしかない」。初の五輪出場につながったのは、磨きをかけたフォアハンドドライブだった。
平野、伊藤美誠と同期の24歳。前回の東京大会では、ふたりが代表に選ばれ、早田はリザーブメンバーとして日本チームを支える役割に徹した。幼いころから注目を集めてきたふたりに対して、着実に成長し、「黄金世代」のエースとなった。
「この状況でメダルを取れたというのは、金メダルを取るよりも価値のある銅メダルだと思う」と見せたひなスマイルは力強かった。次は宿敵・中国が待つ団体戦。シングルでの銅メダルで「EPOCH-ONE」でのカード発行は濃厚。そして、団体戦でもメダルを獲得して、パリ五輪2枚目の「エポワン」を狙う。「平野(美宇)選手と張本(美和)選手はまだメダルを持ってるわけじゃないし、そのメダルに向けて、自分はどうなってもいいと思っているので、とにかくメダルを取るためにやっていきたい。そして、3人で一致団結して金メダルを目指して頑張る」と言い切った。
早田の最新トレカは「EPOCH-ONE」の「JOCスポーツ賞」シリーズの1枚。2023年世界卓球選手権ダーバン大会(個人戦)女子シングルスで3位。世界卓球選手権において、強豪中国選手に勝利してのメダル獲得は男女通じて44年ぶりの快挙を成し遂げたことで「特別功労賞」に輝いたことを記念して発行された。早田のカードはTリーグでのユニホーム姿が主だったが、こちらはレアな日本代表ユニホームでのカードとなった。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。