ナショナルズが9月1日、本拠地でカブスと対戦し、ダレン・ベイカー内野手が初打席で初安打をマークした。
大差のついた試合ながら、9回1死、その名前がコールされると、スタンドが沸いた。代打で登場したベイカー。父のダスティ・ベーカー氏はナショナルズ、この日の対戦相手でもあるカブスなどで26年間、指揮を執った通算2183勝の名将。アストロズではワールドチャンピオンにも輝き、昨季限りでユニホームを脱いだ。
カブス4番手・ロバーツの初球、カットボールを中前に運んだ。初打席で初球を安打とし、一塁ベース上で両拳を握りしめ、大喜び。スタンドでは父親のベイカー氏も夫人とともにスタンドから観戦し、息子の初安打を見届けた。監督時代と同様に、落ち着いた様子で周囲と静かにハイタッチ。ただ、表情は満面の笑みだった。
ベイカー氏が各球団の指揮官を務めていたこともあり、何年も息子の試合を観戦することができなかった、という。「父にとって、今日の試合は特別なものでした。私は忘れません」とベイカーは感慨深げに話した。
ベイカー氏も「息子だからではなく、熱意と忍耐力にあふれた男だ」とダレンを称えた。2021年のMLBドラフトで10位指名を受けナショナルズに入団。25歳で迎えた3年目のシーズンでの初打席だった。
ルーキーイヤーにはオープン戦のナショナルズ・アストロズ戦で、試合前に親子でメンバー表交換をし、話題を呼んだ。だが、実はダレンは22年前から有名人だった。2002年のワールドシリーズ第5戦で当時3歳のダレンは、父が監督だったジャイアンツのバットボーイを務めた。ただ、本塁に近づきすぎ、JT・スノー外野手と交錯しそうになったところをスノーに抱きかかえられて事なきを得た、というエピソードもある。
そんな注目度抜群のダレンはファースト・ボウマンでもある「2022 Bowman Draft」のサインカードが人気を集めていた。そして、TOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」ではダレンの初打席初安打をカード化。裏面は、JT・スノーとの名場面の写真が使われている。さらに、抽選であたるラッキーカードには、3歳だったダレンがバットボーイを務めている写真が。トレカもダレンの初安打に、大いに盛り上がった。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。