MLBで1960年代から80年代にかけてシンシナティ・レッズなどで活躍し、通算4256安打の史上最多記録を持つピート・ローズさんが天国へ旅立った。83歳だった。9月30日にレッズが発表した。
1963年にレッズでデビューしたローズさんは背中を屈めたクラウチングスタイルの打撃フォームから、スイッチヒッターとして、左右の打席でヒットを量産。24シーズンで7回の最多安打を獲得し「ヒットキング」と呼ばれ、通算4256安打は、現在も大リーグの史上最多記録として残っている。
1970年から1978年に掛けて地区優勝6回、リーグ優勝4回、ワールドシリーズ優勝2回を果たした。「ビッグレッドマシン」と呼ばれた最強チームで主将、1番打者としてチームを牽引。 1973年にはシーズン230安打を放ち、3度目の首位打者を獲得、その年のナショナルリーグMVPを受賞し、1975年のワールドシリーズMVPにも輝いた。
また、ヘッドスライディングなど気迫あふれるプレーでも知られ「チャーリー・ハッスル」とも呼ばれた。1978年に日米野球で来日した際もハッスルプレーで球場を沸かせた。
その年のオフにフィラデルフィア・フィリーズに移籍した。1980年にはフィリーズ史上初のワールドシリーズ優勝に貢献。日本でも人気選手で、カップラーメンのCMに出演した。1984年にモントリオール・エクスポズに移籍し、MLB史上2人目となる通算4000本安打を達成した。
1985年に選手兼監督でレッズに復帰。1986年の現役引退後は監督に専念したが、レッズの監督を務めていた1989年に野球賭博に関わったとして、大リーグ機構から永久追放の処分を受けた。
ローズさんのトレーディングカードはかつてはTOPPS社をはじめ、各社の人気カードだったが、永久追放の処分を受けた後はロゴマークなどなしで、「Leaf」社がカード化するだけだった。
それでも、今年、発売されたTOPPS社の「Bowman」にはカードが久しぶりに収録され、サインカードも封入された。初めての「Bowman」登場で、これまでの他のルーキー選手と同様に「1st Bowman」のロゴマークもしっかり、記された。TOPPS社でのトレカ「復帰」で、永久処分が近々、解かれる可能性もあるのではないか、という話もささやかれていた。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。