日本人選手として初めて世界フライ級、バンタム級の2階級制覇を成し遂げた、ファイティング原田が活躍していた時代。父親がボクシング好きということもあり、小さい頃はよく一緒にテレビでボクシング観戦をしていた。
ボクシング好きの私にとって、最大のヒーローはモハメド・アリ。誕生日が同じ1月17日ということもあって、なおさらファンになった。
「蝶のように舞い、蜂のように刺す」。軽快なフットワークから繰り出すジャブは素早く強烈だった。アフリカのザイールでジョージ・フォアマンと対戦し、8Rに一発大逆転を演じたタイトルマッチは、「キンシャサの奇跡」と言われる名勝負だった。それこそテレビ中継に釘付けで、ロープにもたれかかり、フォアマンの強打の連続に耐えるアリに、大声で頑張れと叫んでいた。
そんな私のヒーローであるモハメド・アリのトレカを1枚だけ持っている。
2000年にアッパーデックから発売された「モハメド・アリ・マスター・コレクション」に収録されていたカードだ。このカードに使われている写真は、1964年に当時最強のソニー・リストンをKOし、22歳で世界ヘビー級統一王座を獲得した時のものだ。
「モハメド・アリ・マスター・コレクション」のボックス価格は、その当時で数十万円。ボックス購入は見送る事となり、何とかシングル購入で手に入れた1枚だった。カードはアクリル製のカードケースに入れて、今でも自分の机に飾ってある。
思い出の詰まった大切な1枚だ。
Chief(ライター)
国内サッカーを中心にトレカの世界を長年に渡って見守って来た元スポーツ雑誌編集者。横浜F・マリノスサポーター。ラグビー、相撲にも造詣が深い。