サッカー日本代表は9月5日、埼玉スタジアム2002で行われたFIFAワールドカップ2026アジア最終予選（3次予選）のグループC初戦で中国代表に7-0で勝利。過去2大会の最終予選初戦では勝ち点を挙げられずに苦戦した日本だったが、中国を攻守で圧倒し、勝ち点3をゲット。8大会連続出場へ好発進した。

遠藤航（リバプールFC）と三笘薫（ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC）の前半の得点に続いて、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた南野拓実（ASモナコ）が後半2得点。復帰戦となった伊東純也（スタッド・ランス）、前田大然（セルティック）、久保建英（レアル・ソシエダード）も得点をあげる「ゴールラッシュ」だった。

序盤から左サイドの三笘を中心に積極的に攻める日本は前半12分、最初のCKを得点につなげます。久保の左CKに遠藤が頭で合わせ、先制した。

2点目は前半終了直前。堂安律（SCフライブルク）の右クロスに、ファーサイドのポスト前へ詰めた三笘がヘディングで仕留めて、日本は前半を2-0で折り返した。

後半は南野をはじめ、交代で投入された選手が躍動。52分、南野は左サイドでの三笘とのパス交換からペナルティエリアに切り込むと、間合いを詰める相手DF陣をかわして右足を振って3-0。その6分後には町田浩樹（ユニオン・サンジロワーズ）が上田綺世（フェイエノールト）へ縦パスを送ると、瞬時に加速。上田からパスを受けて2連続ゴールを決めた。

勝利は確実になった展開ながら、スタジアムが盛り上がったのは77分。久保のパスを受けた伊東が左足を振ってゴール左へ決めて5-0とすると、52,398人が伊東の名前をコールする声援に包まれた。伊東は87分には右サイドからクロスを送り、ファーポスト前に走り込んだ前田のヘディングゴールをアシスト。

後半アディショナルタイムには、ペナルティエリア左に切り込んだ伊東から久保へマイナスのボールを預けると、ここまで4得点に絡んだ久保が決めて、試合を締めた。

日本のアジア最終予選での7得点の勝利は初めてで、過去の最終予選最多得点は1997年9月に国立競技場で行われた最終予選初戦のウズベキスタン戦（6-3）、2012年6月の国立競技場でのヨルダン戦（6-0）の6得点だった。

初戦を終えて日本はこの日、アウェイでオーストラリアに1-0で勝利したバーレーンと勝ち点3で並んだが、得失点差で上回り、グループCの首位に立った。

「選手たちがアジア最終予選の初戦の大切さと難しさを認識して、最善の準備をしてくれたことがこの結果につながったと思います。3バックについては、6月からやってきたことを継続して、その中でコンディションなど選手の状態を見ながら起用しました。拮抗した試合になると思っていましたし、実際に点差は開きましたが、先制となったセットプレーの1点で展開が有利になったのは間違いありません。これからもしっかり準備をしたいと思います」と森保一監督は大勝にも気を引き締めた。

復帰戦でゴールを決めた伊東は「ゴールは少し相手に当たったのでラッキーでしたが、取れてよかったです。（観客の拍手やコールを受けて）モチベーションが上がりましたし、嬉しかった。ゴールを取ってやろうと本当に思っていました。得点後は喜ぼうと思ったら、もうみんなが周りにいて、ベンチのメンバーやスタッフさんもみんなで喜んでくれて本当によかった。ここまで悔しい時間もありましたが、（所属）チームでうまくやって代表チームともうまくコミュニケーションを取っていたので、最終予選からしっかりやるとしていました」と話した。

2026年W杯はカナダ、アメリカ、メキシコで共同開催され、出場チームは32から48に拡大し、アジアも4.5から8.5と増枠。アジア最終予選は来年6月まで行われ、6チームずつ3グループに分かれて戦い、各組2位以内までが無条件で本大会出場権を獲得し、3位、4位はアジアプレーオフまたはFIFAプレーオフトーナメント経由での出場を目指す。

日本は次に9月10日、アウェイでバーレーンと対戦する。

12月に発売の「EPOCH 2024 サッカー日本代表オフィシャルトレーディングカード スペシャルエディション」には残念ながら、伊東のカードは未収録の予定だが、トレカでの代表復帰も間違いなさそうだ。

Cove（ライター）
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター（自称）。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。