「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」の最終日が10月6日、静岡県裾野市・東名カントリークラブで開催された。この日、5バーディー、1ボギーの68をマークした佐藤心結(みゆ=ニトリ)が、通算15アンダーの201でプロ3年目にして、ツアー初優勝を掴んだ。今季は28試合に参戦して予選落ちが17回。8月に行われた「ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント」の3位タイがプロでは今季最高位だった。
今季初優勝のプレイヤーは8人目。また、2003年度に生まれた「ダイヤモンド世代」の優勝は竹田麗央(ヤマエグループHD)、川崎春花(村田製作所)らに続き6人目で、通算20勝目という節目の勝利となった。
最終日をトップタイでスタートした。前半は一進一退の攻防が続いてトップと3打差で折り返したが、11番でバーディーを出して流れが変わる。そして14番から4連続バーディーを獲った佐藤が、勝利を確実なものとした。14番で5メートルのパットを難なく決めると、15番では2打目でグリーンに乗せるだけでなく、バックスピンでピンそば50センチメートルへ寄せた。そして17番、ピンまで11メートルのロングパットを決めたことが決定打となった。2位以下に2打差をつけて迎えた最終ホール18番では、ウイニングパットを決めると両手を大きく上に掲げて初勝利に涙した。
公式SNSでは「今週初優勝をすることができました。今日は前半結構苦しいゴルフだったんですけど、後半は本当に目の前の1打に集中してプレーできていたと思います。これから2勝3勝目指して頑張っていきますので、これからも応援よろしくお願いします」と動画でコメントを発表した。優勝インタビューでも関係者やファンへ向けての感謝の言葉をたくさん、口にしていた。周囲の支えによって得た最高の結果だ。
佐藤は、祖父からクリスマスプレゼントにゴルフクラブをもらったことで7歳からゴルフ場に通い始めた。中学時代は陸上部へ所属して砲丸投げにも取り組んだ異色の経歴も持つ。茨城・明秀学園日立高に進学し、2021年8月に東名カントリークラブで行われた「ゴルフダイジェスト ジャパンジュニアカップ」15~17歳の部で優勝。同年10月、アマチュアとして出場した国内女子ツアー「スタンレーレディス」では渋野日向子らとのプレーオフに敗れて惜しくも2位、ベストアマに。そして、同年11月のプロテストに一発合格した。
エポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」から、初優勝を記念して佐藤のトレーディングカードが発売された。それでも、その期待の大きさを物語るように、エポック社ではこれまでも「EPOCH 2024 JLPGA OFFICIAL TRADING CARDS」に佐藤のカードを収録してきた。「EPOCH 2024 JLPGA OFFICIAL TRADING CARDS TOP PLAYERS」の11月の発売を前に好評のインスクリプション入りのプロモーションカードの配布をスタートしたが、佐藤はこれまでのプロモカードに「応援よろしくお願いします」と書き続けた。それだけに「やっと1勝できた。これがスタートラインです」とこの日、話した。
3年前に悔し涙を流した思い出の大会でやっとつかんだ初優勝。低迷期を乗り越えて才能と実力を開花させた21歳が、これから躍進していく姿と、そのトレカが楽しみだ。
Kumin(ライター)
あらゆるスポーツとディズニーを愛するトレカ女子。トレカジャーナルでは女子ゴルフをメーンに担当しているが、好奇心旺盛でほかのスポーツにも興味津々。エポワン「ディズニー」のコンプリートを目指している。