チャーリー・ブラックモン外野手(コロラド・ロッキーズ)が9月23日、自身のSNSを更新し、今季限りでの現役引退を発表した。
38歳のブラックモンは2008年ドラフト2巡目でロッキーズに入団し、2011年にメジャーデビュー。レギュラー定着を果たした2014年以降は強打のリードオフマンとしてチームを牽引。ロッキーズ一筋14シーズンのフランチャイズプレーヤーで、首位打者をはじめ、オールスター・ゲームに4度、選出、シルバースラッガー賞を2度、受賞した。
ロッキーズは9月24日から、セントルイス・カージナルス、ロサンゼルス・ドジャースと本拠地クアーズ・フィールドで今季最後の6連戦がスタート。ブラックモンは最後の6試合の前に現役引退を発表し、プレーで地元ファンに感謝の思いを伝えた。
それまでのMLB通算成績は、1618試合に出場して1797安打、打率.292、226本塁打、797打点、148盗塁、OPS.831。通算67三塁打は球団史上1位、安打、塁打(2942)、二塁打(333)、出場試合などはすべて殿堂入り選手のトッド・ヘルトン内野手に次ぐ球団史上2位となっていた。
「キャリアを通してデンバーの街とコロラド・ロッキーズを野球人生のホームと呼ぶことができたことを嬉しく思います。球団、チームメイト、そして多くのロッキーズファンからのサポートに感謝しています」とのコメントを発表した。
ブラックモンは昨季限りで6年1億800万ドルの長期契約が終了。昨季終盤に1年1300万ドルで契約を延長し、現役を続行していた。
6連戦の最後の試合となった9月29日のドジャース戦では「1番・中堅手」でスタメン出場。始球式では幼いお子さんのボールを受け、試合前から背番号19に拍手と歓声が送られた。3回の第2打席で中前安打を放ち、代走と交代。スタンディングオベーションの中、ベンチに下がった。この時、三塁側ベンチにいた大谷翔平投手が、最後のヒットとなったボールをブラックモンへ返すように、味方の守備陣に呼び掛ける場面も話題になった。
2020年は例年以上にヒットを量産し、打率4割をキープしていたその打撃力だけでなく、長いヒゲもブラックモンの代名詞だった。今でこそ、長いヒゲの選手は増えたが、そのはしりともいえ、まさに、トレーディングカード映えする選手だった。球場配布のボブルヘッドも、もちろん、リアルなヒゲが伸びていた。
メジャーリーガーがヒゲを伸ばす理由は、ゲン担ぎや、相手投手になめられないようにすることだろう。実はブラックモンのルーキーカードの初々しい表情にヒゲはない。そこに写っているのは、相手チームを震撼させる豪打とは対照的な優しい笑顔である。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。