千葉ロッテマリーンズは10月9日、佐々木朗希投手(23)のポスティングシステムを行使してのMLB挑戦を容認することを発表した。
佐々木はかねてから、メジャーへの思いを球団に伝えてきた。
「とにかく早く行って勝負したい、若い年齢で勝負したいとはずっと入団当初から言っていました。そういう話をずっとしてきた。最終的には総合的にこちらも判断して今年容認しました」と千葉ロッテの松本球団本部長は話した。
2019年のNPBドラフトで北海道日本ハムファイターズ、東北楽天ゴールデンイーグルス、埼玉西武ライオンズとの1位重複指名の末、千葉ロッテが抽選で交渉権を獲得。2年目の2021年にプロ初登板を果たし、プロ初勝利を含む3勝をあげた。2022年には史上16人目の完全試合を達成し9勝。今季は自身初の2ケタ勝利となる10勝をマークした。
NPB5年間で通算64試合に登板し29勝15敗、防御率2.10。2023年に日本歴代最速の163km/hを記録した快速球とフォークボールで505三振を奪った。
「一度しかない野球人生で後悔のないように、そして今回背中を押していただいた皆様の期待に応えられるように、マイナー契約から這い上がって世界一の選手になれるよう頑張ります」と佐々木は球団を通じてコメントした。
佐々木は11月3日に23歳になったばかり。現行制度では、25歳未満では移籍してメジャーの試合に出場することは可能だが、マイナー契約しか結ぶことはできない。契約金も各球団で異なる「国際ボーナスプール」が定められており、制限されている。来年1月15日以降に契約した場合には、米メディアによると、契約金は最大でも750万ドル(約11億4000万円)。マイナー契約のため、マリーンズに支払われる譲渡金は契約金の25%と定められており、最大でも187万5000ドル(約2億9000万円)となる。
2年後の大型契約を捨て、「まだ早すぎる」という批判的な声も浴びるが、米国のマウンドに上がることを選んだ。
シーズンオフに入り、米国でも注目されてきた「令和の怪物」の動向が急転直下で動いた。千葉ロッテのポスティング容認のニュースが米国に届くと、トレーディングカード界も動いた。カードの相場動向を追いかける米国のサイト「SPORTS CARD INVESTOR」にも、佐々木のカードが登場。最も高騰したカードをランク付けするこのサイトで紹介された佐々木のカードはTOPPSのオンデマンドカード「TOPPS NOW」のWBCカード、「2021 NPB CHROME」だった。この2枚が今後、「ロウキ・ササキ」のアイコン的カードになるのか。これまでも人気の高かったBBMのルーキーカードもさらに市場価格を上げるのは間違いない。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。