MLBの新人王が11月18日、発表され、ナ・リーグはポール・スキーンズ投手(ピッツバーグ・パイレーツ)が、ア・リーグはルイス・ヒル投手(ニューヨーク・ヤンキース)が選出された。
スキーンズは、昨季のドラフト全体1位でパイレーツに入団。開幕前から球界最高のプロスペクトとして期待され、その期待に応えた。今季、23試合に先発し11勝3敗、防御率1.79、170奪三振。7月のオールスターでは先発投手に選ばれ、サイ・ヤング賞のファイナリストにも入るなど、新人の枠にとどまらず、既に球界最高の投手のひとりとして認識されつつある。
スキーンズは23票の1位票を集めた。最大のライバルと目されていたジャクソン・メリル外野手(サンディエゴ・パドレス)には7票の1位票が入った。ジャクソン・チョーリオ外野手(ミルウォーキー・ブルワーズ)が26票の3位票を集めて3位に。今永昇太投手(シカゴ・カブス)も4票の3位票を獲得した。
ア・リーグでは混戦の末に、ヒルが選出された。26歳のヒルは29試合に先発し、15勝7敗、防御率3.50、171奪三振をマーク。被打率.189はMLBトップ(規定投球回以上)と、新人離れした投球内容で、ヤンキースのワールドシリーズ進出に貢献した。
15の1位票を獲得したヒルに対し、2位のコルトン・カウザー外野手(ボルチモア・オリオールズ)は13と、ア・リーグの新人王争いは接戦だった。3位にはオースティン・ウェルズ捕手(ヤンキース)が入り、4位のメイソン・ミラー投手(オークランド・アスレチックス)と5位のケイド・スミス投手(クリーブランド・ガーディアンズ)にも1位票が入った。
例年になくルーキーが豊作だった今季は、ルーキーカードも豊作だった。とりわけ、スキーンズはトレカも大ブレイク。今年のルーキーカード(RC)はもちろん、昨年の「2023 BOWMAN DRAFT」に封入された「1st Bowman」も人気で、クロームカードばかりか、紙のカードも市場価格を上げている。
メリルのRCにくわえ、昨年、デビューしたが今季のカードにRCロゴがついたエリー・デラ・クルーズ内野手(シンシナティ・レッズ)も、新人王候補には残らなかったが、2年前の全米1位、ジャクソン・ホリデー内野手(オリオールズ)らのカードは今後も語り継がれるRCになりそうだ。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。