野球界の発展に大きな功績を残した人を讃える野球殿堂入りの新たな候補者が12月3日に発表され、プロ野球で引退から5年以上経過した人が対象となる「プレーヤー表彰」の候補者に、新たに4人が加わり候補者は28人となった。野球殿堂入りは、候補者の中から投票によって選ばれ、来年1月16日に発表される。
4人はオリックス、MLBマリナーズなどで活躍したイチローさん、巨人で2000安打を達成し、今季は監督としてセ・リーグ優勝を果たした阿部慎之助さん、巨人、MLBレッドソックスなどで活躍した上原浩治さん、ロッテで2000安打を達成して今季、コーチを務めた福浦和也さん。
野球殿堂入りの新たな候補者は
【プレーヤー表彰】=敬称略
イチロー
ドラフト4位でオリックスに入団し、3年目の1994年にプロ野球史上初のシーズン200本安打を達成し、この年から7年連続で首位打者に輝いた。その後、MLBマリナーズに移籍しデビューした2001年に新人王とMVPを同時に受賞したほか、10年連続でシーズン200本安打をマークし、2004年には今も破られていない262本のシーズン最多安打記録を打ち立てるなど、大リーグ通算3089安打、日米通算で4367安打をマークした。
阿部慎之助
2001年にドラフト1位で巨人に入団し、ゴールデングラブ賞を4回受賞したほか、首位打者と打点王のタイトルを獲得し、プロ通算で2132安打、ホームラン406本をマークするなど強打のキャッチャーとして活躍し、現在は巨人の監督を務める。
上原浩治
巨人やMLBレッドソックスでワールドシリーズの胴上げ投手になるなど「100勝100セーブ100ホールド」を達成した。
福浦和也
千葉ロッテで首位打者にも輝き、通算2000本安打を達成した。2024年はロッテでヘッド兼打撃コーチを務めた。
【エキスパート表彰】
プロ野球の監督やコーチを務めた人などが対象の「エキスパート表彰」には、阪神とオリックスで監督を務め、阪神では1期目の2005年にリーグ優勝、2期目となった2023年、18ぶりのリーグ優勝と、38年ぶりの日本一に導いた岡田彰布さん、横浜の監督を務めたほか、コーチとしてもヤクルトなど4球団で指導にあたった尾花高夫さんのふたりが加わり、候補者は合わせて20人となった。
【特別表彰】
アマチュア野球や審判など、幅広く野球の発展に貢献した人をたたえる特別表彰の候補者には戦前、日本の統治下にあった台湾の嘉義農林高校を率いて夏の甲子園に出場し、準優勝に導いた故・近藤兵太郎さん、日本の野球史研究の第一人者とも言われる、故・斎藤三郎さんのふたりが加わった。
イチローさんは、米国の野球殿堂入りの候補者にも選ばれたばかり。日本人初の米国殿堂入りは確実で満票か、どうかに注目が集まっている。もちろん、日米の野球殿堂入りを果たした人はおらず、ダブル快挙を伝えるトレーディングカードが作られてもいいはずだ。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。