今年のワールドシリーズ第5戦で、アーロン・ジャッジ外野手(ニューヨーク・ヤンキース)が落球したボールがMLBオークションに出品され12月12日、43,510ドル(約675万円)で落札された。この落球は、試合の流れを変え、ヤンキースはロサンゼルス・ドジャースに逆転負けを喫し、1勝4敗で世界一を逃した。
失策やミスなどのネガティブなアイテムがオークションで売買されることはめったにない。このボールにはワールドシリーズ使用球の証明であるロゴマークはついているが、実際にジャッジが落球したことを記すMLBの証明シールもないようだ。入札は12月2日に100ドルで始まり、その日のうちに18,500ドルまで入札額は上がった。最終的に101件の入札があった。
12月14日にSCPオークションにて100万ドル(1億円)で落札されると予想されるフレディ・フリーマン内野手(ドジャース)の第1戦でのサヨナラ満塁本塁打ボールに次いで、この落球ボールは重要な使用球と位置付けられている。
ワールドシリーズ第5戦でヤンキースは本拠地ヤンキースタジアムで3回までに5-0でリードし、シリーズ2勝目へ主導権を握った。だが、5回にジャッジがトミー・エドマン内野手の浅い飛球を落として2人の走者が出塁。ドジャースはフリーマンのシリーズタイ記録の12打点となる2点適時打など一気に5点をあげ同点に。
6回にジャンカルロ・スタントン外野手が勝ち越しの中犠飛を放ち、リードしたが、8回にギャビン・ラックス外野手の中犠飛、ムーキー・ベッツ外野手の中犠飛で逆転されてしまった。
ジャッジは試合後、落球について「ただ捕れなかっただけだ。あれほど強いチームに余分なスキを与えるわけにはいかない」と話した。「ここで敗れたことは、おそらく死ぬまで忘れないだろう。ワールドシリーズには特別なものがあるしそれが人々を、そして私を奮い立たせてくれる。間違いなく、優勝する側でありたかった」と話した。
ジャッジはこの第5戦で初回に1号2ランを放ったが、このワールドシリーズでは打席でも大スランプ。第2戦の初回に山本由伸がジャッジから三振を奪ったボールも、今回のオークションに出品され、10,470ドル(約163万円)で落札された。ただし、このボールは山本由伸がワールドシリーズで初めて奪った最初の三振ボールと言うべきかもしれない。
ちなみに、今回のオークションでは第5戦でベッツが放った勝ち越しの中犠飛のボールの落札額は8,470ドル(約131万円)だった。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。