LPGA「Qシリーズ・ファイナルクオリファイイング(最終予選会)」の悪天候で順延された最終第5ラウンド(R)の残りが12月10日、アラバマ州のマグノリアグローブGC・クロッシングコースで行われた。
山下美夢有(加賀電子)が通算27アンダーでトップ通過。岩井千怜が2位、岩井明愛(ともにホンダ)が5位、吉田優利(エプソン)が9位に入った。馬場咲希(サントリー)は通過ラインぎりぎりの24位で滑り込み、日本勢は5人が24位タイまでの来季米ツアーの出場権を獲得した。来季の日本勢は、今季の9人を更新し、過去最多の13人となった。
27カ国の計99人が挑戦し、ほかに日本勢は山口すず夏(61位)と原英莉花(予選落ち)が参加。7人の出場者は国別で米国(14人)、中国(9人)、韓国(8人)に次ぐ4番目の多さだった。合格者5人は米国と並び最多。3人で韓国が続き、2人が通過したのはフランス、中国、スペイン、カナダだった。
2021年末に古江彩佳と渋野日向子、22年に勝みなみと西村優菜、昨年は西郷真央と吉田が同予選会を通じて、翌年国内ツアーから主戦場を移した。今年は通過した5人のほか、11月に日本で開催された「TOTOジャパンクラシック」を制した竹田麗央もすでに米ツアーメンバーに加わっている。
今季はメジャー5大会のうち笹生優花が「全米女子オープン」を、古江彩佳が「エビアン選手権」を制した、日本勢の勢いと実力を証明した。
「世界からの(日本のアスリートに向けられる)目はゴルフ以外のスポーツ界においても変わってきていると思う。それがこの試合でも顕著に現れた。来年またメンバーが増えますけど、みんなでゴルフを盛り上げられたらいい。日本で帰ってプレーできる機会でも頑張りたい」と吉田は話した。
最終18番で、外せば米ツアー出場権を逃すバーディーパットを決めた馬場は「最後にチャンスをつかめてうれしい。何回も心が折れかけたけど諦めずに、最後にバーディーが取れて良かった」と目を赤くした。
今回の通過者の中でも最年長は吉田の24歳。来季、JLPGAのみならず、LPGAでも若い力が席巻する。UPPER DECK社など海外カードメーカーのゴルフカードについに日本女子プレーヤーが登場するか?
【2025年米国女子ツアー主な出場カテゴリーと該当する日本人選手】
(1)前年の年間ポイントレース上位80位
=古江彩佳、西郷真央、笹生優花、畑岡奈紗、渋野日向子、西村優菜、勝みなみ
(2)生涯獲得賞金上位20位
(3)過去5シーズンのメジャー優勝者
=(笹生優花、古江彩佳)
(4)過去2シーズンおよび当該シーズン(25年)のツアー優勝者
(5)複数回優勝者(過去3シーズンで年間2勝以上)
(6)同一シーズン3勝(過去4シーズンで年間3勝以上)
(7)過去1シーズンおよび当該シーズンにおける非ツアーメンバーの優勝者
=竹田麗央
(8)当該シーズンの第1回リシャッフル後のポイントレース上位80位
(9)前年の下部エプソンツアーポイントレース上位10位タイまで
(10)前年の獲得ポイント数が40位以上に相当する非ツアーメンバー(プロ)
(11)前年の年間ポイントレース81位から100位
(12)生涯獲得賞金上位40位
(13)カテゴリー14以下の選手で行われる第1回リシャッフル後のランキング
(14)Qシリーズ・最終予選会上位25位タイまで
=山下美夢有、岩井千怜、岩井明愛、吉田優利、馬場咲希
(15)前年の年間ポイントレース101位から125位、下部エプソンツアーポイントレース11位から15位
=(吉田優利)、稲見萌寧
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。