シアトル・マリナーズなどで通算3089安打をマークしたイチローさん(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が1月21日、米野球殿堂に選出された。MLBネットワークの番組内で発表された。メジャー史上最多652セーブを挙げたマリアノ・リベラさん以来、6年ぶり史上2人目の満票選出はならなかったが、引退後5年の有資格1年目、日米両方の殿堂に選ばれることもまた史上初の快挙となった。殿堂入りの式典は7月27日にニューヨーク州クーパーズタウンで行われる。
公開された投票結果を随時まとめて掲載していた米サイトでは、直前まで全体の54.3%、213票の結果を公開し、唯一の満票をキープしていたが、非公表分で、投票しなかった記者がいた模様だ。393票で得票率は99.7%。満票に1票届かなかったのは、デレク・ジーターさん以来の「準」満票になった。
今月16日には日本の野球殿堂博物館が2025年の野球殿堂入りを発表し、選出された。資格1年目での殿堂入りはスタルヒンさん(1960年)、王貞治さん(90年)、野茂英雄さん(2014年)、工藤公康さん(16年)、松井秀喜さん(18年)、金本知憲さん(同)に次ぎ、7人目の快挙だったが、全349票中、史上初となる満票には26票、足りなかった。
2001年にポスティングシステムを利用してオリックスからマリナーズに移籍。27歳での遅いメジャーデビューだったにもかかわらず、19シーズンで3089安打を積み上げた。2000年代の安打ランキングではアルバート・プホルス(3384本=カージナルスなど)、ミゲル・カブレラ(3174本=タイガース)に次ぐ3位。だが、プホルスは22年、カブレラは21年の実働。イチローは引退した2019年は引退を発表した日本開幕戦2試合に出たのみなので、実質18シーズンの実働であり、平均安打数は両者を上回る。NPB時代と合算すると4367本に跳ね上がり、MLB史上最多のピート・ローズ(レッズなど)の4256安打を上回る。
ルーキーイヤーには242安打、打率.350、56盗塁をマークし、史上2人目の新人王とMVPのW受賞を達成した。それ以降、10シーズンで7度のリーグ最多安打。10年連続200安打、打率3割以上をマークした。盗塁は昨季、大谷翔平(ドジャース)が59盗塁を記録するまで日本人選手史上最多だった。
TOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」ではイチローさんの米国殿堂入りを記念したカードを発売。打席でのお決まりのポーズの1枚は、各種カラーバリエーション、シリアルナンバー入りのパラレルにくわえ、抽選でサインカードも当たる。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。